インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

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💃子どものころ、繰り返し見ていた夢。いくつもの支柱。広い窓から夕陽が差し込む回廊。あたりがピンク色に染まるその空間で、きらびやかなドレスを着た女性が、長いスカートの裾を翻し、クルクルと回りながら踊っている……。

当時のわたしは、その夢の中で舞い踊る女性は自分で、シンデレラのような、西欧の「お姫様」の類だろうと解釈していた。

小学生になったころにはもう、見なくなっていた夢なのだが、数年に一度、ふとした拍子に、その情景を思い出してきた。今でも朧げに思い出せる。

2004年、初めてラジャスターン州のジャイプールを訪れたとき、この夢を思い出した。ひょっとして「夢」の舞台はここじゃないだろかと思った。鳥肌が立つ思いがした。

どういう妄想?! と、笑われるのを覚悟で記しておく。

その前世のわたしは「お姫様」だったのではなく、ひょっとして「踊り子」だったのだろうかと思い至ったのは、2018年、ジョードプルで毎年2月に開催される「World Sacred Spirit Festival」に赴いたときだ。

わたしの意思や願望が及ばぬ遠い場所からの強い指令によって、故郷の福岡から東京、ニューヨーク、ワシントンD.C.を経てインドへ移住することになった。その経緯には、わたしの「前世」さえも影響していると思わずにはいられない。

そんな次第で、今世においては、半世紀を生きてようやく、「踊りたい」衝動が湧き上がって止められず、三半規管が弱くて回れないのに、膝が痛いので無理はできないのに、ついつい踊ってしまうのだ。

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昨日、友人からの招待で、スーフィーの音楽を奏で歌うミュージシャンのライヴに招かれた。

初期イスラム教の神秘主義思想家たちによる教団としてのスーフィー。彼らにとって、音楽は神との合一を果たすための、修行のひとつだという。旋律に合わせてグルグルと旋回する「セマー」と呼ばれる舞踏もまた、修行だとのこと。

宗教と音、音楽は、密接に関わり合う。彼らの声を、楽器の音を聴いていると、無意識のうちに魂が歓喜する。

カクテルで友人たちと会話を楽しんだ後、ラジャスターンから訪れた楽団の演奏を聞く。最初は座って聴いていた観衆だが、中盤からは踊り始める。男性は、用意されていた白いスカートとシャツを着て、くるくると回りながら踊り出す。

普段のパーティのボリウッドダンスとは異なる類の、しかし結局は皆、嬉々として屈託なく踊る。

北インドの料理もおいしく、毎度、飲んで食べて語って「聴いて」踊っての、濃密に楽しい夜。この年末、旅行の予定はないがゆえ、バンガロールにいながらにして、旅情に浸れることの幸せ。

ところで、昨日着用のサリーは、先日、VAYATI WEAVESの展示会で購入したベンガル地方の伝統工芸モスリン(綿織物)。若き職人起業家による手織りものだ。今回初めて着用したが、軽く柔らかく、本当に着心地がいい。

詳細は以下のブログに記している。ぜひご覧いただければと思う。

なお、ブラウスは、先日サリー専門店のTANEIRA(TATAグループ)で購入した既製品。幸いにも、お直し不要でピッタリサイズのブラウスが、デザインもおしゃれだったことから購入した。他のサリーにも合わせやすいデニム素材でとても気に入っている。

昨今、若い世代におけるサリーの復興を後押ししている現象の一つに「ブラウスの自由」と「着付けの自由」が挙げられる。その点についても、後日記しておきたいものだ。

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【関連情報を記したブログ】

◉聖なる音楽に浸り続けた。ラジャスターン州ジョードプル紀行
➡︎ https://museindia.typepad.jp/library/2021/12/sufi.html

◉数千年前に遡る。若き職人起業家たちによる伝統的な手工芸の復興
➡︎ https://museindia.typepad.jp/fashion/2021/09/hiraeth.html

◉SAREE RUN! タタ・グループ傘下のサリー専門店TANEIRA
➡︎ https://museindia.typepad.jp/fashion/2019/03/saree.html

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