インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

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金曜の日中は、終日、ミーティングで、少し疲れた。1カ月の不在を控えて、荷造りや雑事や仕事の残りを少しずつこなしているこのごろ。無理を避けるべく、夜の外出は控えていたが、このパーティは以前から参加を決めていたこともあり、夫と共に出かける。

着物かサリーを着ていくつもりだったが、着替えるのが面倒だ。そこで閃き取り出すは、京友禅の大判ストール。黒地に牡丹の、ダイナミックな柄がとても気に入っている一枚だ。

わたしは京友禅サリーのインドにおけるブランド・アンバサダーを依頼されていることから、実際に着用した感じを見てもらうためにサリーを着用しているが、あくまでも「お借りして」いる状態。取り扱いも丁寧に、汚さぬよう、気を遣っている。

そんな中、今回、数枚販売されていた大判ストールの中に、わたしが気に入った牡丹のサリーと同じ柄のものがあった。これは実用的だと、先日、自分のために購入した。

心置きなく着用できる。

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一方のサリー。自分が気に入っていることから、展示会でもついつい目立つ展示してしまう。

サリーには、黄金色の文字が描かれている。これがまた、魅力的。気になって調べたところ、サンスクリット語(梵語)の「アン」。辰巳(たつみ)年生まれの守護本尊である普賢菩薩が宿る文字だという。巳年のわたしと一致してうれしくなった。このサリーについては、また後日、記すことになる。

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京友禅サリーには、丹後縮緬と呼ばれる正絹が用いられている。しっとりと滑らかで光沢があり、適度な重みが優麗なドレープを生む。

一方、この大判ストールは、同じ丹後縮緬の正絹でも異なる質感。光沢はなくマットで、ふわふわと軽くて扱いやすい。

今回は、シンプルなリネンのドレスと合わせたが、このストールが主役となり華やかな印象になった。黒や白のパンツやトップとも合わせられるから旅行にも好適だ。ベルトでウエストを締めるのもいいかもしれない。

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実は、外出の数時間前まで、疲れ気味だったからキャンセルしようかと思っていた。しかし、白い牡丹を身に纏ったら、なんだか元気が出てきた。この夜は、Integration Dinner。人々と少し深めに交流するのが目的だった。

開催場所が、わたしの好きなTaj West Endだったことも、気持ちを前向きにさせてくれた。インド移住前に初めて泊まった時には、ガーデンシティの象徴のような場所に感激したものだ。20年前の移住直後、住まいを見つけるまでの1カ月弱を、ここで暮らした。ゆえに、思い入れは深い。

喧騒の外界からゲートに入った途端、異次元に紛れ込んだかのような気持ちにさせられる。夜の緑に出迎えられ、来てよかったと思う。オープンエアのヴェトナム料理店、Blue Gingerと、併設するBlue Barが会場。顔見知りの友人たちだけでなく、新しくて若い仲間らとも言葉を交わす。

中でも、自ら石炭の会社を立ち上げたという青年の話が興味深く。親は製紙工場を経営しているが、敢えての石炭。その背景の物語を聞きながら、日本の炭鉱の歴史や原子力発電のことなどを語る。

わたしの生まれ故郷は、熊本県荒尾市原万田。ユネスコ世界文化遺産登録されている「明治日本の産業革命遺産」を構成する一つである「三井三池炭鉱万田坑」がある土地だ。

今回の一時帰国時、自分の原点を知るべく、そこを訪れることはすでに決めていた。ゆえに、「石炭」というワードにさえも、ご縁を感じる。

ご縁は、広がりながら収束する。

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