
いつからだろう。夫と二人での外食が減ったのは。米国在住時は頻繁に、インド移住後も少なくとも週に1度は、二人で出かけていたものだ。当時は「行きたいお店」は限られていて、選択肢は少なかった。しかし年々、バンガロールの、いやインド都市部の外食産業は、その数、ヴァラエティ、クオリティ……とあらゆる側面において、急進し続けている。歳を重ねて沈みがちな我々の「外食欲」と反比例するように、選択肢は膨大で、今や完全に胃袋が足りない。
昨今「外食欲」が減ったのには、別の理由もある。夫のヴェジタリアン傾向だ。2020年に義父ロメイシュが急逝したのを契機に、夫は精神世界への探求を始めた。それに伴い、かつてはさまざまな肉類を食べていた夫の食の嗜好が変化した。魚介類は食べる「ぺスカタリアン」と化し、好物だった牛肉、豚肉、マトン、鶏肉……を食べなくなったのだ。
出会った当初から、あらゆる点において共通項がなかった我々が、唯一、意気投合できるのが食の嗜好だった。それが損なわれた今、なんともはや……な状況である。最近では平日、ヴェジタリアンのインド料理を作るメイドに来てもらっている。わたしはそれを食べたり、自分のために肉料理を作るなどしている。
夫婦の食卓。あまりにも刺激がなさすぎる。会話も弾まない。弾まないどころか、ない。
時には気分転換を……というわけで、数日前、久々に二人で外食に出かけた。このごろは、市内の随所に「話題の新しい店」が点在する。今回は夫のリサーチによりFervorを選んだ。バンガロール市街北部、コックスタウンの旧居からほど近い、コリアン系の店舗が多いKalyan NagarというエリアにあるFervor。
ローカルの店舗が立ち並ぶ、洗練からは程遠い、喧騒のエリアの一隅に、その店はあった。シェフのAdityaは、トロントのミシュランの星付きレストランで腕を磨き、故郷のバンガロールで初めての店をオープンさせた。欧州料理に独自の創造を加味した料理を提供しているという。先日のIZUMIもそうだが、「小さく始めて大きく伸ばす……」というコンセプトのようだ。
キッチンで焼かれたサワードウのパン。イーストで発酵された旨味の効いたバターが添えられている。アスパラガス、ソフトシェルクラブ、そしてわたしは鴨肉のグリル……。料理はいずれも、食材の新鮮さが際立ち、洗練されていて、とてもおいしい。惜しむらくは、ワインが飲めなかったこと。
数カ月前にオープンしたばかりだということもあり、リカーライセンスが取れておらず、アルコールがまだ提供されていない。やむなくKOMBU CHAをオーダーした。このところ、アルコール摂取量が激減したわたしでさえ、この料理にはワインを飲みたいと切望させられた。食後のデザートも非常においしく、スプーンが進む。締めくくりにダブルエスプレッソを……と頼もうとしたが、コーヒーもまだ出していないという。今後、ランチを提供するようになったら、用意するとのこと。
インドでは一般的な、「ソフトオープニング」という名の、準備が間に合わない開店。インド外食産業のスタンダードにつき、驚かない。しかし、料理がおいしいだけに、ワインとコーヒーがないのは、とても残念だった。どちらもの準備が整ったころに、改めて訪れたい。アルコールもコーヒーも望まない方は、すぐにもお試しを。
ちなみに改築中の我が家のバスルームズも「ソフトオープニング」中![]()
天井の塗装やら、タオル掛けやミラーの設置やら、一部、洗面台の不足など、とっちらかった状態ではあるが、現状、3つのバスルームでシャワーが浴びられる状態になった。そんなに要らんやろ、という話でもある。最後に残していた主寝室のタイル貼りが今日から始まる。すべてが終わるのは10日後くらいだろう。がんばろう。遠い目。










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