
前夜は早めに就寝し、ぐっすりと8時間、眠ったあと6時に起床。のんびりとした旅を……と思う一方で、自然を存分に楽しみたくて、2日前に引き続き、トレッキングをすることにしていた。想像以上に気温が高いプナカ。昼近くになると暑くなるからと、ガイドのTashiから朝のトレッキングを勧められていた。
目覚めた瞬間から「今朝は何を食べようかな」と思い巡らす。それほどまでに、食事がおいしいのだ。飲み物は、すでに毎朝の定番となった「バター茶」を注文。一方の夫は「ターメリック・ラテ」が気に入った様子。
メニューを見ながら悩んだ末に、「4種類のモモ」のセットを注文した。野菜、豚、鶏、牛……と、インドの飲食店では、ほぼあり得ない組み合わせの4種類だ。夫はエッグ・ベネディクト。こちらもとてもおいしそうだ。
朝からしっかり栄養補給をして、車に乗り込む。目指すは、渓谷を挟んで向こう側の山腹に立つ寺院、Khamsum Yully Namgyel Chortenへ。この建造物は、現在の王妃の母親によって1999年に建立されたものだという。
吊り橋を歩いて対岸まで渡り、田園風景の中を通過して、山道を登る。曲がりくねる山道のカーブに差し掛かるたびに、下界の風景が遠く豊かに見渡される。自分としては休憩しながら適度な速度で歩いているつもりだが、ガイドのTashiからは、先日同様、Mihoは健脚で歩くのが速いと驚かれる。
わたしは昔から、歩くのが速い方だとは知っている。体力もあるほうだろう。しかし、膝痛や腰痛もそこそこあるし、気づけば大した年齢だし、起伏のある道では速度を落として身体に配慮しているつもりだった。
思い返せば、これまでの人生、夫以外とトレッキングをすることはほとんどなく、「自分の速度」を他人と比較することはなかった。気づけばいつも先を歩いてしまう自分ゆえ、夫のことを「歩くのがとても遅い人」と思い込んでいた。
その旨、Tashiに話したら、「Arvindさんが気の毒だ」と言われた。
速度を落とせ。
いろいろな意味で、自分を、自分たちを、振り返る旅でもある。
思った以上に短い時間で寺院に到着。三層構造のストゥーパ(仏舎利塔)が、青空に映えて美しい。ここもまた、内部の写真を撮影できないので、時間をかけてゆっくりと、1階、2階、3階……と、その絢爛たる種々の神々の姿を脳裏に焼き付ける。
地獄の魑魅魍魎が具現化された世界。壁に描かれる髑髏や亡霊に、ポルトガルのエヴォラで訪れた「カタコンベ」を思い出す。無数の人骨によって埋め尽くされた内観……。
メメント・モリ。死を思え。
死を思いながら、生きよ。
生を際立たせて、生きよ。
生を慈しみながら、誠実に生きよ。
最上階からは360度、あたりを見晴るかせる絶景! 晴天に恵まれて、本当にありがたい。今のわたしは個人的に、身の回りに「祈るべきこと」が多い日々だが、「願い」を「感謝」の言葉に変えて、ただひたすらに、合掌する。
家族のために。友らのために。
遍く旅路に光あれ! (By ロングホープ ・フィリア)



















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