インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

MUSE INDIA / HOMEPAGE

✈︎ 過去ブログ/2005〜2025

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    夫が初めて日本を訪れたのはニューヨーク在住時、結婚前の1998年のこと。実家に連れて行った日の夕暮れどき、父と夫は二人で、相撲を見ていた。言葉は通じないのだが、なにかしら、盛り上がっていた。

    夫は日本は来るたびに、「バショに行きたい」と言っていた。一方のわたしは相撲に関心がないうえ、チケットの購入も手間がかかりそうで、今まで一度も行こうとはしていなかった。

    今回の訪日が九州場所と重なることを知った夫は、英語の相撲チケット販売のサイトを見つけ出し、早い時期に購入手続きをすませていた。

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    スポーツ競技場というのは、その会場に近づくだけで気持ちが昂り、ワクワクするものだ。ベースボール、フットボール、バスケットボール、テニス、クリケット……。そして今回、初めて訪れる大相撲九州場所もまた。
    わたしたちのマス席は、ちょうど正面を向いていて、土俵からは離れているものの、とても観戦しやすい場所だった。隣のマス席のその隣には複数のカメラが設置されている。テレビで見るのとほぼ同じアングルの場所だというわけだ。

    ふと前方を見て、思わず笑いが込み上げてきた。なんと友人夫婦が、そこにいたのだ! 

    かつてバンガロールに暮らしていて、ミューズ・クリエイションのメンバーでもあったHiromiさん。彼女は、わたしが福岡到着直後に実施した『旅する朝活セミナー/日本とインドを結ぶ布』に来てくれていた。

    そのときに、たまたま相撲を見に行くという話になり、偶然にも同じ日だということは聞いていた。それだけでもすでに、かなり奇遇の域なのに、こんなにも近い席だとは! 二人して「怖い! 怖い!」と笑い合う。ご縁がある方とは、とことんご縁があるものなのだと思う。

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    相撲のことは、よくわからないけれど。「カン、カン」と鳴る拍子木の音や、行司の「東〜」「西〜」の呼び出しの声を、もう本当に、久しぶりに聞いて、子どものころを思い出した。幼いころは、祖父や父らと、折に触れて、相撲を見ていたものだ。

    我が父との思い出は、ほとんどない夫ゆえ、一緒に相撲を見たことは、心に深く刻まれているのだろう。そんなことを思いながら、最後の取り組み。懸賞旗(広告)を見て苦笑した。「典礼会館」とある。20年前に我が父を見送った葬儀場だ。

    死してなお、母が心配なのか、なにかと存在をアピールしてくる父。これもまた、間接的なアピールか。父よ。今しばらくは、母のことをしっかりと、見守ってくださいよ!

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    この日、実家に帰らずに中洲川端のホテル・オークラに滞在したのには理由があった。それは、大相撲九州場所の観戦のためである。朝から開場しているらしいが、午後3時ごろに行けば十分だろうということで、界隈を散策することに。

    ホテルに隣接する博多リバレインは、和のテイストが生かされた、すてきなブランドの店舗がたくさん入っている。今回、目にとまったのは博多織の専門店OKANO。博多織といえば、独鈷(煩悩を打ち砕くとされる仏具、法器)と華皿(仏の供養の際、散布する花を入れる皿)の紋様をモチーフとした帯が有名で、それ以外の柄のことを、わたしはほとんど知らなかった。

    ちなみに博多織の帯は「男帯」が最初に誕生したという。「キュッ」と心地よく締まり、崩れないことから、刀などを差す際に重宝され、江戸時代には武家、武士侍に愛用された。昨年、幾度か開催した着物の展示会でも、インド人のゲストらにこの話をした。すると、強い関心を示してくれる。SAMURAIはパワーワードだ。

    店頭に並ぶ帯……だけでなく反物の、その自由な織と精緻な仕上がりのすばらしさ! 博多織がこんなにも豊かな織物だったとは知らなかった。わたしが着物世界に関心を持ち始めてちょうど1年。その深淵に、気が遠くなるような思いだ。博多織の世界にも、引き込まれる。故郷にぐいぐい、引き摺り込まれる。許可を得て撮影させていただいた。その美の片鱗をシェア。

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    さて、夫は過去にも、有名な櫛田神社界隈には訪れたことがあるので、今回は東長寺へ福岡大仏を見に行くことにした。わたしが昨年初めて訪れて圧倒された場所だ。途中「龍宮寺」を参拝し、その向かいにある東長寺へ。福岡大仏は、写真撮影ができないので、看板だけを載せておく。とにかく、福岡の方々よ! ぜひとも一度、ここを訪れてほしい! 太宰府の「観世音寺宝蔵」に並んで、「灯台下暗しにもほどがある」場所である。

    夫も、しばらく放心したように仰ぎ見、拝んでいた。

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    ◉東長寺

    ・真言密教の祖である「空海」が「日本で最初に」建立した寺。九州八十八ケ所第一番霊場。
    ・美しい五重塔があることで有名だが……。
    ・日本最大級の木造座像の大仏「福岡大仏」が鎮座。大迫力!

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    ◉聖福寺

    ・臨済宗の祖である「栄西禅師」が「日本で最初に」開山した禅寺。
    ・栄西は、宋での留学を経て、臨済禅とともに「茶の種」と「喫茶法」を日本へ。故に茶祖とも。
    ・佐賀県背振山に植えたのが日本で最初の茶だとされる。
    ・庭の菩提樹。案内によれば、菩提樹が日本で最初に植えられたのは、1992年、福岡市東区香椎の文治寺(現在の報恩寺)だとのこと。
    ・我が母校、香椎高校のすぐそば!
    ・インド菩提樹は、クワ科の常緑高木で「ピーパルツリー (peepal tree) 」と呼ばれる。この木は、日本や中国では育ちにくいことから、このシナノキ科の落葉高木が「菩提樹」とされたという。
    ・仏殿前の柱(回向柱)から伸びる「善の綱」は、ご本尊「釈迦、弥陀、弥勒」それぞれの右の御手に結ばれた金糸と繋がっている。
    ・回向柱に触れることで、仏様に触れることになるという。回向柱に、ありがたく、触れる。

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    九州場所の会場である福岡国際センターへ赴く前に、中洲川端の甘味処「鈴懸」に立ち寄る。安納芋のぜんざいを食べた。おいしかった。食欲の秋……!

    🇯🇵【福岡情景③】日本最大級? 日本初? 入ってびっくり! 圧倒的な福岡大仏や、栄西建立の禅寺などを巡る。

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    最終のジェットフォイルで壱岐から博多埠頭に到着。この日の夜は、埠頭にほど近い中洲川端にあるホテル・オークラに予約を入れていた。チェックインをすませたあと、夜の中洲界隈を歩く。

    途中「壱岐牛」の文字が目に飛び込んでくる。きっと今までも目にしていたであろうその文字が、今では浮かび上がって見える。

    那珂川沿いは、イルミネーションが美しい。もう、師走は目の前だ。偶然にもクリスマスの催しが開かれていて、ライヴあり、出店ありと、賑わっている。

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    この日の夜は、夫のリクエストに応えて、屋台で軽く食事をすることにした。わたしは大学時代に一度、屋台でおでんを食べて以来2度目。夫は初めての屋台だ。

    どの屋台がいいのか、よくわからない。無難に見た目がおいしそうな天ぷら専門の屋台を選んだ。ビールを飲みつつ、揚げたての天ぷらを味わう。美味。

    猛暑だった夏の余韻を引き摺って、霜月も下旬だというのに、さほど寒くない。紅葉もあまり見られぬまま、日本を離れる日が近づく。

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    料理の写真は、翌朝のホテルでのブッフェ。実家のある福岡でホテルに宿泊することは稀。福岡の郷土料理が並ぶブッフェがもの珍しく、ついつい朝から、とんこつラーメンまで「味見」をしてしまう。

    よく動いた旅だったが、その分、よく食べた旅でもあった。

    さて、明日からは日々のエクササイズ(なかやまきんに君の世界一楽な筋トレ)を再開するなど、絞り始めねば。💪

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    27日間のインド不在を経て、本日未明、バンガロールに戻ってきた。1996年に海外生活を始めて以来、こんなに長期間、自宅を留守にするのは初めてのこと。特に猫らと暮らし始めてからは3週間が限度だった。不在中に、JACKとCANDYが取っ組み合いの喧嘩をしたらしく、双方、引っ掻き傷を負っている😿。今後は2匹が遭遇しないように庭と室内の隔離を考えねばと思う。

    さて、身体はインドに戻ってきたが、魂はまだ玄界灘辺りをうろうろしている。今日明日のうちに、旅の写真などをまとめて残しておこう。

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    今回の壱岐旅は、筆舌に尽くし難く意義深いものだった。故郷の歴史、日本の歴史、自らの出自に思いを馳せるありがたき契機。

    数年前に他界された芸能人の三浦春馬氏が、壱岐をこよなく愛していて、我々が宿泊した平山旅館にも滞在され、先代の女将とも親しかったなど、ネット上にはエピソードが残されている。三浦氏はまた、2020年に『日本製』という書籍を出版されている。

    日本全国47都道府県各地を約5年に亘って巡り、文化、産業、芸能、食など、さまざまな分野にて携わる人々を取材したものだという。そのなかに、長崎県の壱岐島でのエピソードが記されているのだとか。俳優業以外にも、このような仕事に取り組まれていたことを、このたび初めて知った。この本はぜひ、取り寄せて読みたい。

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    【壱岐の魅力の備忘録】

    ◉海と緑に抱かれた風光明媚な地理(辰の島遊覧、最高)
    ◉豊かな山海の幸(アワビにウニに……壱岐牛も美味!)
    ◉約1700年の歴史を持つ湯本温泉郷は、全温泉施設が自家源泉・源泉かけ流し。療養規定値約15倍の高濃度で子宝の湯としても有名
    ◉150以上の神社が点在。祠を含めると千を超え、国生みの神々が集まる地
    ◉国の史跡に指定された古墳が複数。主要古墳として前方後円墳2基と円墳4基
    ◉麦焼酎発祥の地。酒造見学も楽しめる
    ◉海水浴、マリンスポーツ、サイクリング、ゴルフなど、アクティヴな楽しみ方もできる
    ◉「壱岐イルカパーク&リゾート」では、かわいいバンドウイルカと遊べるらしい
    ◉一支国博物館で、歴史や文化を学べる(次回は必ず訪れる予定)
    などなど……。
    今回、ウニの時期を外したのが残念だった。次回は必ずウニを食す!

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    写真は最終日に撮影したもの。朝食は滞在先のホテル、壱岐リトリート海里にて。ランチは辰の島の船着場近くの食堂で、夫はアジフライを、わたしは壱岐牛のどんぶりを味わった。

    遊覧を終えた後、奇岩の猿岩を見に行った。その近くには、東洋一と言われた巨大な「黒崎砲台跡」がある。昭和8年(1933年)対馬海峡を通過する艦船を攻撃するために設置されたというが、一度試射が行われたのみで、実戦で使用されることなく終戦後に解体された戦争遺産だ。

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    自分へのギフトは、壱岐リトリート海里のショップで見つけた「キキリコ kikirico」のアクセサリー。「ゲンザイカコミライ」と名付けられたイアリング(ピアス)とペンダントを、一目惚れで購入した。壱岐に生まれ育ったデザイナーによる、壱岐のアワビの殻などを用いたエシカルで洗練されたアクセサリー。付け心地も、とてもいいのだ。

    イヤリングの3つの円。わたしは上から、過去、現在、未来。

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    想像を遥かに超えて、豊かな時間を過ごせた壱岐での3泊4日。壱岐の神々と人々へ感謝の気持ちを込めて、あと2回に亘り、記録を残す。

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    旅の最終日だった昨日。本当は午後2時発の船で博多埠頭に戻る予定だった。しかし、曇天で行けなかった辰の島クルーズに行きたいという未練が残る。結局、船を午後5時発に変更し、島の滞在時間を伸ばして、辰の島へ赴くことにした。

    実は今回の旅、1組だけ、外国人に出会った。サンディエゴから来たという男性二人。わたしたちが鬼の窟古墳で静寂に浸っている時、英語での会話が聞こえた。彼らに、どうして壱岐を知ったのかと尋ねた。プレイステーションのゲームに「Ghost of Tsushima(対馬の幽霊)」というのがあり、その中に出てくる絶景を見たくて、壱岐と対馬を旅することに決めたのだという。

    そのとき、彼らを案内していた宿のご主人と軽く話しをしたのだが、辰の島クルーズを強く勧められていたのだった。

    「絶対に、上陸したほうがいいです」

    と、穏やかに、しかし、力を込めて、彼は言った。

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    朝食をすませ、ホテルをチェックアウトし、スーツケースだけを残して辰の島の船乗り場へタクシーで赴く。遊覧船は基本、夏場が中心で、今年は今月末で終了するという。このぎりぎりのタイミングで来られたことも、幸運であった。
    昨日もまた、好天とは言い難い、厚い雲が流れ、風もそこそこ吹いていたが、遊覧船は欠航ではない。壱岐島の北端にある辰の島へ向かう途中、東の海を指して、船長が、宗像の沖ノ島が見えるという。

    晴天の日でも、滅多に見えることはないというその島。宗像大社の沖津宮がある島で、住人はなく、女人禁制、上陸時には海中での禊が必要。一木一草一石たりとも持ち出すことができないなど、厳密な掟によって守られている神聖な島だ。

    それが小さく、肉眼で見られたこともご縁だとありがたく思う。

    やがて船は対馬海峡に入り、彼方にくっきりと対馬が見える。船長曰く、曇天にも関わらず、こんなによく見えるのは珍しいとのこと。またしても、ありがたい。

    島の周辺は、エメラルドグリーンで透明度の高い海。好天ならば、もっと鮮やかに美しいのだという。初めて訪れるわたしにしてみれば、福岡からわずか1時間の場所に、こんなにも美しい海があったことが衝撃だ。

    マンモス岩だの蛇ヶ谷だの潮吹きのスポットだのと、わずか数十分の遊覧の間にも、見応えあるスポットが数々ある。そしてわたしたちは、無人島である辰の島に上陸し、次に船が来るまで、1時間ほど歩くことにした。他の観光客に見送られ、わたしと夫は二人で島へ足を踏み入れる。

    日中、管理人の男性が一人いるだけで、あとは誰もいない。信じがたいほどの、リアル無人島。

    かなり急勾配の坂道を登り、島の頂上にたどり着いたときの爽快感! 360度の景観が見事すぎて、もはや笑いが出てくる。こんなすばらしいのに、どうして誰もいないの? 謎すぎる。

    地球の、天然自然の歴史と、人類の歴史と、日本と朝鮮半島を経て大陸との歴史を、目の当たりにできる海峡。最高。
    また、必ず、来る。

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    昨日の朝。平山旅館をチェックアウトして、宿の車に荷物を詰め込む。女将が自ら、次なる宿「壱岐リトリート 海里村上」まで送ってくださるという。

    「途中で熊野神社を通過しますか……?」と尋ね、返事を聞くか聞かないかのうちに、到着。なんと! 徒歩で1分もかからないほどの、斜向かいの宿だった!

    デフォルメされた地図を見ていたので、具体的な距離感がつかめず「近い」とは知っていたが、ここまで近かったとは! 女将もわたしたちを驚かせるために、敢えて言わずに送ってくれたようだ。

    海に面した「壱岐リトリート 海里村上」は、アットホームな平山旅館とは一転して、洗練されたリゾート空間だ。視覚的にも「雑音」がなく、自然の造形が配された建築と内装はまた、わたしの好みに一致して安らぐ。建物そのものは、かつての宿を引き継いでいるため築数十年と古いが、「壱岐リトリート 海里村上」は改築を経て2020年に創業している。

    全室が海に面したオーシャンヴュー。かつての2室を1室にし、客室数はわずか12。ゆえに、静かでゆったりとした空間が育まれている。部屋には水平線を望む露天風呂もあり、平山旅館と同じ、黄金色の効能豊かな水が豊かに流れ込む。

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    本来は、昨日、辰野島へ遊覧へ出かける予定だったが、小雨交じりの曇天なので、1日、ホテルで過ごすことにした。天の神様の計らいかと思えるくらいに、それはすばらしい過ごし方だった。

    プライヴェート温泉からの景観もまた見事だった。薄暮の空を眺めながらの入浴。身体が温まったあと、バー&ライブラリーで雑誌をめくりながらスパークリングワインのグラスを傾けるも、至福の極み……。

    と、なんだか、旅行誌の記事を書いているような調子になってしまう。

    壱岐の山海の幸を生かした料理がまた、すばらしい! 器の一つ一つもまた、心遣いが鏤(ちりば)められている。しかしながら、最も心惹かれたのは、アワビの貝の殻。その、唯一無二の美しさ……。

    壱岐の人たちは、ゲストにたっぷりの料理でもてなすのが常なのだという。「物足りない」と思われるよりも、余るくらいがいいのだと。平山旅館の太っ腹な料理も、食が自給自足できる壱岐の人たちにとっては、当たり前のおもてなしなのかもしれない。

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    2泊3日の平山旅館滞在を経て、壱岐最後の1泊は、平山旅館にほど近い、海辺のリゾートにチェックインする。本当は、今朝、島の北部の辰野島の周辺を遊覧する予定だったが、あいにくの曇天と強風につき、様子を見ることにした。

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    バンガロールで旅の情報を収集すべく、ネットで壱岐の旅館を検索していたときに目にとまった平山旅館。温泉と食事の質の高さが選んだ決め手となった。この旅館は以前から、メディアからもしばしば取り上げられている、壱岐では有名な旅館でもあるようだ。

    3年前に他界された前代の女将が、半世紀にわたって壱岐と旅館の振興のために尽力されていたとのこと。「質より量」ならぬ、「質も量も抜群」な食事でも知られているようだ。名物の鯛茶漬けは、日本航空のファースト/ビジネスクラスの機内食に3年連続で採用された背景もあるという。

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    すでに初日の夕食は写真を載せたが、2日目も、刺身とはいえ異なる魚介類が並び、出される料理もヴァラエティ豊かだった。特に「壱岐牛」のグリルは見事で、旨味がぐっと凝縮されていた。

    自家菜園の採れたての魚介類、新鮮な野菜、大豆濃度が高い豆腐、産まれたての卵……どれもこれもが滋養に満ちていて、箸が進む……が、量が多い! 

    比較的、食欲旺盛な我々だが、正直なところ、完食は不可能なボリュームだった。尤も、たっぷり食べても胃にもたれない、胃腸にやさしい料理ばかり。余った料理は、同旅館が飼育している150羽の鶏たちの餌になるから、残しても問題はないと言われるが、やはり残すのには少々、抵抗がある。

    チェックインの際、料理の量についての質問項目がある。「標準」「少なめ」「品数同じで全体に少なめ」「多め」という選択肢から、一応「標準」を選んだが、「品数同じで全体に少なめ」でちょうどよかったかもしれない。

    2日目の夜は、庭に露天風呂と小さな神社がある「花の間」での夕食にいざなわれた。あいにく船の欠航で入島できなかったゲストがいらしたため、部屋がキャンセルになったことから、女将がこちらの部屋での食事を提供してくれた。
    我々の星の間の雰囲気もいいが、花の間は調度品も美しく、庭の眺めも麗しく、最高の気分だった。

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    📷チェックアウトのとき、女将と3人で写真撮影。料理の写真は、昨夜の夕食と、昨日、今日の朝食。どれも、本当においしかった。

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    今回、わたしたちが滞在しているのは、島の西側。サイクリングを終えて旅館へ戻り、ひと段落した後、タクシーを呼んで島の東側を目指した。内海湾(うちめわん)に浮かぶ小島神社を訪れるためだ。

    ここは壱岐で最も人気のあるパワースポットのひとつ。普段は海に浮かぶ島だが、干潮時の前後1時間ほどは、参道が現れて島まで歩き、参拝することができるのだ。宿の受付で見た干潮時間を確認し、訪れることにしたのだった。

    内海湾は、弥生時代に一支国(壱岐の島)の王都だった原の辻を訪れる古代船が往来した玄関口だったという。創建400年の歴史を持つ神社を抱く小島全体が神域とされているため、小枝一本さえ持ち出してはならない。

    天照大神の弟神である須佐之男命(すさのおのみこと)、その母神である伊邪那美命(いざなみのみこと)などを祀るという。

    15分程度ならば待ちますと、タクシーの運転手さんが言ってくれたので、寒風が吹きすさぶ中、海に浮かんだ山道を歩き、鳥居をくぐり、小島に向かって手を合わせる。

    夢のような気分だ。

    この日、強風で欠航した船もあり、島に上陸できなかった観光客もいるなか、わたしたちは幸いにも、体力勝負ながらも島を満喫できた。本当は、内海湾に近い場所にある「壱岐市立一支国博物館」にも行きたかったのだが、さすがに時間がなく。また次の機会だろうか。

    それにしても、こんなにも豊かな旅ができる運。

    神様、ありがとうございますと、幾度となく感謝した1日だった。

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    わたしは大学時代、文学部日本文学科を専攻していた。古事記や日本書紀、万葉集などの授業も受けていた。受けていたはずなのに、何一つ、大切なことを覚えていない。なにをやっていたんだか。

    しかし、今のわたしが大学生に戻ったとしても、多分、積極的に勉強しないだろう。やはり、今世と同じように、遥か彼方の海外へ旅立つことを夢想するだろう。歳を重ねて、海外生活が長くなったからこそ、日本の魅力を客観的に眺められる。

    故郷界隈の魅力を発掘しようと思える。

    今更ながら、福岡で育ったことを、幸運に思える。幸運……という表現は適切かどうかわからぬが、少なくとも、面白い。

    🚴‍♂️

    今日は、主に自転車で、壱岐島の中心部を巡った。宿の女将は帰国子女で、英語も堪能。夫も交えて、昨夜も今朝も、そして今夜も、会話を楽しんだ。千葉が出身で、かつては外資系企業に勤務していたという彼女。とても気さくに、アットホームなこの宿の背景や、壱岐の魅力を語ってくれる。そして、サイクリングルートのアドヴァイスもくれたのだった。

    若いころから温泉が好きで、温泉ソムリエの講習を受けるなどしていたところ、この旅館の三男であり料理人である平山氏と巡り合われたという。10年前に壱岐へ移り、子宝温泉の効能そのままに、双子を含む3児の母となられ、数年前に女将を引き継いだ。

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    他の観光名所に比べれば、圧倒的に旅行者が少なく、魅力に溢れているこの島。神々に守られ、食の自給自足が完結していて、島の人たちは満たされている。そのせいか、積極的に旅行者を招き入れようという風潮は、あまり強くない……という女将の話を聞きつつ、妙に納得する。

    「インドは、呼ばれた人が行く」……という表現がある。当時のわたしは呼ばれたつもりはなかったが、20年後の今、まちがいなく「呼ばれていた」と確信する。

    それは、わたしのカルマだった。

    わずか2日間の滞在で、わかったようなことを書くのは憚られるが、しかしこの島こそもまた、「壱岐は、呼ばれた人が行く」場所だとの思いを強くする。夫も、わたしも、今こそが、来るタイミングだった。

    福岡から船でわずか1時間。もっと多くの旅行者が来ても不思議ではない魅力が詰まっているにも関わらず、ひっそりと静かに、平穏が保たれている。この島は、神々によって守られているのだなということが、わずかな時間の滞在でも感じられた。

    🚴‍♂️

    壱岐は、起伏に富んでいる。電動アシスト付きの自転車でなければ、とてもサイクリングはできない。しかしわたしも夫も、普通の自転車しか乗ったことがなく、最初は少々戸惑った。思った以上の急勾配もあり、アシストがあってもかなりの脚力を要する。

    それでも、絶景を眺めながらのサイクリングは爽快で、風が強く、寒いにも関わらず、3時間あまりを楽しんだ。昨夜、資料を眺めつつ、どうしても行きたいと思った場所を訪れた。

    とりあえず、行程を記しておく。写真の順番も、以下の通り。それぞれの場所の歴史と物語が非常に深く濃いので、説明はしない。

    ①熊野神社(わたしが一番、心を打たれた神社。泣けた)
    ②住吉神社(夫婦楠の前で、たまたま旅館に泊まっていた男性に会い、夫婦の写真を撮ってもらった)
    ③月讀神社
    ④国片主神社
    ⑤鬼の窟古墳
    ⑥双六古墳

    壱岐に呼ばれたい人のために、多めに写真を載せておく。これらの写真を見て、何かを感じたならば、それはもう、きっと呼ばれているのだと思う。

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    3泊の壱岐滞在のうち、最初の2泊を平山旅館に決めたのは、その温泉の歴史の深さと、料理のおいしさの評判を目にしたからだった。

    壱岐の「湯本」にある温泉は、5世紀に神功皇后が三韓出兵の折に発見、応神天皇を出産後、産湯に使わせたという伝説がある。1500年以上の歴史を誇る日本屈指の古湯であり、さらには平山旅館の湯は湯本の中でも旧湯(ふるゆ)と呼ばれているという。

    庭のある角部屋「星の間」を予約。部屋はオーソドックスな日本の旅館、であり、特筆すべき特徴はないが、リラックスできる。

    ゆうべは、家族風呂を利用。露天風呂付きの部屋を選ぶか悩んだが、家族風呂が2つもあって、そこそこに広めの露天風呂が備えられているから、これで十分だった。塩っぱくて濃厚な湯の心地よさ! 夕刻、そして寝る前に入浴。夜には露天風呂から満月が仰ぎ見られて、まさに極楽気分であった。

    夕食がまた、すばらしい!

    一皿ずつ、次々に出される料理は、壱岐の海の幸の饗宴だ。壱岐のクラフトビール(ゆずと麹のビール)もおいしく、食前酒の焼酎と梅のお酒も風味豊か。壱岐の酒もほどよい甘みとフルーティーな味わいで、至福。

    料理一つ一つの説明をしたいところだが、これから朝の温泉を楽しんでくる。今日は風が強いが、幸い雨は降っていない。プランAかプランBか、天候を見つつ、行動予定を決めようと思う。

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