インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

MUSE INDIA / HOMEPAGE

✈︎ 過去ブログ/2005〜2025

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    一時帰国。母へのお土産を買うために、DASTKAR Bazaar 最終日に滑り込み。

    母はもう15年以上、インドの自然派ソープやローションを愛用している。オンラインでも買えるけれど、バザールでは新たな発見がある。ゆえに、足を運ぶ。

    コーヒー豆や各種お茶、シャンプーなどはすでに注文済み。

    わずか90分間にも、晴れたり降ったり、落ち着かない天気。そんな時節の青空は、眩い雲を浮かべて美しい。

    フライトは木曜深夜。ようやく気持ちが帰国に向けてシフトしつつある。さて、これからゆっくりと荷造りをはじめ、日本での3週間の過ごし方を考えよう。

    ……と書いているうちにも、なんだか眠い。

    ひとまずは、猫らと昼寝をしよう😺😴

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    昨年11月、本格的に再稼働したミューズ・クリエイションのフェーズ3。振り返ればこの半年間、各種イヴェントや企画を実施して、なかなかに色濃い月日だった。

    留学生やインターン生など若者らが中心のグループ、「ACT MUZ」は、わずか半年の間にも、メンバーの出入りが頻繁。常に小人数なれど、こうして同じ時期にバンガロールで過ごすもご縁。たとえ1回の会合でも、そのときの会話がその後の人生に示唆を与えることもある。

    ゆえに、集まれるときに、集まり、語り合える機会を提供している。

    🍙

    わたしにとっても、この半年余りは、とても豊かな経験を重ねた日々だった。OKaeri Venturesの始動。Muse Craetionの活動。そして個人の旅行……。特に、昨年秋の一時帰国で「着物に目覚めた」ことは、大きな転機となった。
    12月に、2回開催した「着物とサリーの比較展示会」を端緒に、今年に入ってからは、一大工芸品バザールで着物を展示したり、なんちゃってモデル・デビューしたり、茶懐石でのおもてなしを演出したり……。そして先週の宝石店におけるイヴェントへと連なった。

    明後日からの一時帰国では、呉服関連の店に立ち寄って、諸々、学びつつ購入しようと思っている。浴衣や夏物の着物を新調したい。なにしろ、浴衣は高校時代に買ったものと、10年前に買ったものの2枚しかないので、選択肢が欲しい。

    🥐

    日曜日、久しぶりのSOCIAL MUSEは午後3時ごろから、若者ら3名が集まった。おやつなどの持ち寄り歓迎としたところ、たまたまクロワッサンが重なった。高級ベーカリーとローカルベーカリー、それぞれのおいしさがあるクロワッサンを食べ比べるという企画が実現。

    そのクロワッサンを前にして、茶道をたしなむ男性に、お点前を披露していただく。京友禅サリーのプロモータを務めて以来、こういう「日本の伝統」を披露する場が増えているので(増やしているので)、少しでも「場慣れ」しておきたいと思う。

    🌽

    『月光ライブラリ』で学生らが書籍を読んでいる間にも、夕飯の準備。このごろは、ピザのデリヴァリーなども多かったが、この日は大量の米を炊き(インド産「谷藤米」)、独創的豚汁風を作り、がっつり緑黄色野菜を炒め、サツマイモをほくほくと蒸し、とうもろこしを皮ごとオーヴンで蒸し焼いた。良質の海苔と塩を添えれば、シンプルながらも滋味のある料理。非常においしい!

    🍠

    日本に生まれ育った多くの人にとって、味噌汁とごはんは、多分ソウルフード。体調を崩したとき、気分が落ち込んでいるとき、塩むすびを一口食べるだけでも、元気が出る。そこに味噌汁があれば、より一層。まさに五臓六腑に染み渡る。若いころは日本料理に対して、さほどの執着はなかったのに、日本を離れ、歳を重ねるにつけて、自分の本質がこれらを望んでいることを実感する。

    食だけではない。自分を取り巻くものすべて。海の外へ出れば出るほどに。経験を重ねれば重ねるほどに。

    自分の本質を、芯を、内奥を見つめ、軸を固定して、凛と強く生きたいものと思う。🍚

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    金曜日は、非常に有意義な1日だった。バンガロールの老舗ジュエリーショップ「C Krishniah Chetty & Sons」が運営するクリスタル・ミュージアムサロンにて、日本に関するプレゼンテーションをする好機に恵まれたのだ。

    オーナー夫妻が友人だということもあり、以前もクリスタル・ミュージアムの開館セレモニーに招かれたり、3月下旬にはミューズ・クリエイションのメンバーと共にジュエリーショップとミュージアムの見学をさせていただくなどの交流があった。

    「クリスタル・ミュージアム」は開館以来、顧客を招いてのさまざまな文化的なイヴェントを実施されており、わたしも以前、「ラーマーヤナ」に関するトークに参加させていただいた。昨年末、わたしが「着物とサリーの比較展示会」を実施したことを受けての、今回の催しの実現である。

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    招待客は同店の顧客を中心に70〜80名。わたしの友人知人も招待した。日本人の参加希望者は、ミューズ・クリエイションの若者メンバーら含め7名。インド人に対してはもちろんだが、日本の人たちにも知ってほしい厚みと深みのある内容だ。

    当日の朝、設営のために会場へ赴いたところ、担当の女性が慌ただしくしている。聞けば、前日になり、急に参加者希望者が増えて、かつてなく100名以上が出席するとのこと。席についての食事をしながらの催しにつき、追加の手配や館内のレイアウトの変更作業に追われていた。

    わたしの身の回りのインドの人たちの日本に対する関心の高さについては常々、言及しているが、今回のイヴェントではそのことを改めて実感すると同時に、生半可なことは伝えられないと、身の引き締まる思いである。

    🇯🇵

    ご存知の通り、バンガロールに戻ってからもしばらくエジプトの記録を書き上げるのに時間を費やし、なかなか気持ちが日本に向かなかった。エジプトの扉を一旦閉じて、今度は古の日本に思いを馳せつつ、新たな資料を作成。

    オーナーからは、日本独自の魅力の理由や、日本とインドの共通点についても言及してほしいと依頼されていた。今回はそこを、かなり深く掘り下げた。

    日本とインドのシルクロードを経てのテキスタイルの交流、明治時代の綿を巡る日印貿易(タタ財閥創業者と渋沢栄一の関係)、タゴールに岡倉天心、タゴールと絞り染め、そこから日本の着物とインドのサリーの共通項、そして神道と仏教の関係史と、弁財天や大黒天などインド由来の神々の話など……。例を挙げれば尽きない。

    自分で資料を作りながら、面白すぎて、数日間、没頭していた。資料は厚くなるばかりだが、話せる時間は60分。資料は後ほどシェアすることを前提に、毎度のごとく丁寧に編集した。

    神道と古代エジプトのシンクロナイズも相まって、またしてもエジプトの扉が開きかける。

    🇯🇵

    新居からは、「引っ越しですか?」というくらいに、またしてもマネキンガールズ2名や着物、帯、それに雛人形をはじめ、さまざまな日本の伝統工芸品を詰め込む。

    プレゼンテーションの準備、荷造り、荷解き展示、イヴェント、そして片付け……と、怒涛のような数日間だったが、力を入れた甲斐はあった。

    大半のゲストが、ビジネスや個人的関心と、何かしら日本と関係をお持ちだ。トークの後は、多くのゲストに声をかけられ、感想を伝えられた。

    「今日の話を聞いて、自分は今まで左脳で日本を理解してと気づいた。しかし今日、右脳で日本を深く知れた気がする。今後、日本とビジネスをする上で非常に役立ちました」といった感想も励みとなった。

    🇯🇵

    ところで、インド・ファッションに身を包んだマネキンたちも着物や羽織を羽織ってくれた。なかなかにお似合い😁

    来週は日本へ一時帰国。日本では、今回こそ、新しい浴衣を数枚、買おう!(着物は暑い😅)

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    🇮🇳創業155年のジュエリー店にて学ぶこと尽きず。インドの歴史、伝統、文化、宗教、占星術、家族の絆……そして地球の力!(2024/3/25)
    https://museindia.typepad.jp/mss/2024/03/crystal.html

    ◉老舗貴金属店の「クリスタル・ミュージアム」開館セレモニーへ。(2023/07/12)
    https://museindia.typepad.jp/2023/2023/07/crystal.html

    ◉バンガロールの老舗ジュエリー店で、宝石の歴史を辿る。(2022/10/05)
    https://museindia.typepad.jp/fashion/2022/10/crystal.html

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    🇯🇵明日、インドの人たちに向けて、日本の伝統や文化を語る。本来は、昨年の師走に開催した着物とサリーの比較展示会に加えて、雛人形や漆器など、日本的なものを展示しつつ、文化背景を説明するにとどめる予定だった。

    しかしながら、せっかくの機会。主催者側もとても楽しみにしてくれているので、どこを切り取ってもいいように、いつものように多めに資料を準備する。

    先週末は新居へ赴き、掃除をした以外はほとんどデスクワークと資料整理。わずか1時間話すために、多くを調べて検証し、それを編集して形にする。たいへんだが、おもしろい。その過程こそが編集者の仕事であり、醍醐味でもある。

    ここ数年、英語でも複数のテーマでプレゼンをしてきたこともあり、すでに作っている資料から引っ張ってきて再構成しつつ、体裁を整える。

    参考資料として、祖母の若きころの写真も活用。1920年代。今から約100年前。久留米絣をはじめとする着物の柄の美しいこと!

    さらには、日本の七福神のうち、大黒天、弁財天、毘沙門天はインドの神様由来。その背景を調べつつ、自分の好きな弁財天=サラスワティについて調べているうちにも、神社(神道)系と寺院(仏教)系とがあり、少々混乱。調べ始めたら諸々、濃い!

    「神仏習合(混淆)」「神仏分離」「廃仏毀釈」……いずれも、概念や大まかな歴史は知っていた。しかし! 一つ一つを掘り下げて検索してみると(インターネットありがとう。今の時代に感謝)、衝撃の実態が次々に。特に「廃仏毀釈」はすさまじい。2枚目の写真。

    これを見た瞬間、「これ、どこ?! 見に行きたい! 鎌倉? 鶴岡八幡宮の多宝塔? こんな建築物があるの?!」と衝撃を受けた。日本を離れて28年。知らないことだらけだ……と資料をたどれば。

    なんと、廃仏毀釈で破壊されていた。以下、Wikipediaではあるが、信頼性が高そうな記事なので転載させてもらう。

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    江戸幕府崩壊後、1868年3月13日に「神主を兼帯していた僧侶に対して還俗する旨の通達」が明治政府から出され、また1870年に大教宣布がなされると、鶴岡八幡宮においてもいわゆる廃仏毀釈の動きが始まった。 同年中に多宝大塔などの仏堂は破壊され、仏像、仏具、什宝、経典なども破壊・焼却処分されるか散佚した。(Wikipedia)
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    そもそも、「鶴岡八幡宮」は、「神仏習合(混淆)」を経て、「鶴岡八幡宮寺」と称されていたのだよな……。

    神宮寺。神仏習合思想に基づき、神社に附属して建てられた仏教寺院や仏堂。

    「廃仏毀釈」によって破壊された尊き文化遺産が無数にあったことを知って、愕然とする。その救済に尽力した人物のひとりが米国マサチューセッツ出身のアーネスト・フェノロサで、その友人が岡倉天心で、ゆえに彼はボストンにゆかりがあり、さらに岡倉天心はタゴールと親しくて、でもって晩年、タゴールの親戚の女性と恋に落ちるなど、話がインドに戻ってきてもう、芋づる式にも程がある。

    そこに、先日来の古代エジプトのあれこれが、日本の神道とシンクロナイズして、おもしろさエンドレス。軽く書くつもりが、ついついここでも書き込んでしまう。いかん。

    ちなみに、破壊された鶴岡八幡宮の多宝塔の写真は、イタリア生まれのイギリスの写真家、フェリーチェ・ベアトが撮影したもの。彼は1863年から21年間横浜で暮らしたという。

    いろいろと、考えさせられることの多く。日本人の精神的土壌についても。

    今日中に資料を整理し、夫に英語の校正をしてもらって、明日にのぞむべし。マネキンガールズも2名出動しての、楽しい展示会&トークになる。がんばろう💪

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    一昨日の夜、夫とともに、5月1日にオープンしたばかりの日本料理店「イザナギ」を訪れた。インディラナガールの100フィートロード沿い、TOITの北という便利な場所だ。

    来週、某所で開催される、わたしの日本の伝統文化などに関するトーク・イヴェントにて、「イザナギ」がプロモーションを兼ねて、軽食を提供してくれることになったことから、その前に試食をさせていただくことになった次第。

    チェンナイやバンガロールでの日本料理店での経験が豊富なインド人シェフによる、家庭的な日本料理の数々。味付けもなかなかに繊細で、心のこもった味わいだった。試食ということで、少なめに提供していただいたものもある。実際のヴォリュームとは異なる料理もあるはずなので、念のため。

    バーカウンターでは、日本を意識したオリジナルのモクテルやカクテルなども作られている。わたしたちは、米を使ったヘルシーなモクテルのあと、白ワインをいただいた。

    味付けやプレゼンテーションなど、気づいた点は忌憚なくお伝えした。「わたし自身の味覚や好み」よりも「インドの人はじめ他者の味覚や好み」が優先されるべきは承知なので、そのあたりも分けてお伝えする。

    ちなみにわたしが気に入ったのは、独創性あふれる「豚の唐揚げ」や「う巻き(うなぎ入り卵焼き)」、「肉じゃが」など。個人的にはMSGの使用が抑えられているところに好感が持てた。お腹いっぱいになりつつも、箸が止まらず食べ過ぎてしまった。

    近々、グランドオープニングだということで、これから内装や食器なども改善される模様。食事の提供だけでなく、日本文化を体験できる場としても育てていきたいとのこと。グランドオープニングのあとにまた、感想を記したいと思う。

    *ランチ、ディナーともにオープン。デリヴァリーにも対応。リカーライセンスは現在ワインのみ。メニューはヴァラエティ豊かで、全体にリーズナブル。

    🇯🇵IZANAGI
    https://www.zomato.com/bangalore/izanagi-indiranagar-bangalore/book

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    “Poonam Bir Kasturi who transformed waste management in Bengaluru dies at 61”
    Concerned about the environmental impact of expanding landfills and growing piles of waste, Poonam founded Daily Dump 18 years ago in 2006 to address the issue of organic waste accumulation. (https://www.thenewsminute.com/)
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    I participated in the “Garbage Tour” of Bangalore organized by Poonam Bir Kasturi, Daily Dump, in 2011. I spent only one day with her, but I learned a lot from her that day. In fact, I have been using compost from the Daily Dump since 2010, before I joined this tour. Every year, the Daily Dump had a stall at the annual Muse Creation charity bazaar. We also gave a presentation to the Japanese community about the garbage problem in Bangalore.

    I also made a video about it on YouTube. All of these are result of Poonam’s influence on me. The news of her passing is heartbreaking for me, as it is for many. May she rest in peace.

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    🇯🇵昨日、とても心痛む訃報が飛び込んできた。環境問題に取り組み、特にバンガロールのゴミ問題に関して真摯に活動されていたPoonamが、61歳の若さで他界された。わたしがPoonamと初めて会ったのは13年前。彼女が創設したコンポストなどを販売する非営利機関、デイリー・ダンプ主催によるゴミ処理ツアーに参加したときだ。

    ちなみに、このツアーに参加する前の2010年より、我が家はずっとデイリー・ダンプのコンポストを使い続けている。
    パンデミック以前、ミューズ・クリエイションが毎年開催していたミューズ・チャリティバザールでは、毎年、出店してもらっていた。また、ミューズ・クリエイションが日本人会総会パーティにて、バンガロールのゴミ問題についてプレゼンテーションを行ったこともある。そのときの資料を使っての動画も、Youtubeにアップロードしている。

    彼女と過ごした時間は、わずか1日。しかしながら、彼女からは多くのことを学び、現在のわたしの暮らしにも密接に関わっている。この先、バンガロールのゴミ問題が少しでも改善されるよう、わたしも微力ながら気を配っていこうとの思いを新たにする。

    🙏彼女への感謝を表するとともに、ご冥福をお祈りします。

    🌏芋づる式エコロジカル生活。ゴミで堆肥作り。(2010/02/12)
    https://museindia.typepad.jp/2010/2010/02/eco.html

    🌏インドのゴミ処理を巡る旅。ぜひ読んでください。(2011/11/1)
    https://museindia.typepad.jp/2011/2011/11/earth-1.html

    🌏土に触れて、宇宙を思う。食、健康、美容、エコ、ゴミ、有機、農業、衛星……。
    (わたしが環境問題などについて言及した膨大な記事を整理したブログの投稿)
    https://museindia.typepad.jp/library/2021/06/earth.html

    🌏「バンガロールのゴミ問題」に向き合おう! 地球環境の負担を減らすためには、先進国、新興国を問わず、まずは「捨てるゴミ」を減らすことが重要。
    https://youtu.be/nVBk6wGii1g?si=OujR9UT1SAwZJPXf

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    南インドとはいえ、標高900メートル超えの高原に位置するバンガロール。一年中、過ごしやすい気候だが、4月5月の盛夏はなかなかに暑い。その年によって暑さの度合いは異なるのだが、今年は格別に暑かった。普段であれば4月ごろ、マンゴー・レイン、もしくはマンゴー・シャワーと呼ばれる雨が降るのだが、今年はそれがほとんどなかった。水不足が懸念され、市民は節水を呼びかけられてもいる。プールなども使えない。

    エジプトへ行く前に、「一度だけも雨を見せてください」と天に願っていたら、本当に一度だけ、束の間、雨が降った。

    エジプトからバンガロールへ戻る前に、「バンガロールに雨を降らせてください」「ナイル川の水を連れて帰りたい」と切望していたら、ちょうど空港に降り立つ直前に、大雨が降っていた。空港の外を出た瞬間、雨に濡れた土の匂いがして、バンガロールに「おかえり」と言ってもらえているようで、うれしかった。

    それから土曜日、そして昨日月曜日と、まとまった雨が降った。特に昨夜は、雷雨と豪雨から、しとしとと小降りの雨が降り続いた。街の緑や建物や道路をきれいに洗い、大地をしみじみと、潤してくれた。

    今朝の空気はひんやりと軽やかで、本当に気持ちがいい。暴風で散らかった庭の風情もまた、自然の恵みを偲ばせる。潤って冷たい草の感触が、とても心地よい。

    庭のTULSI(ホーリーベイジル/聖なるバジル)の葉っぱを摘んで、白湯にいれて飲みながら、一日のはじまり。

    さて、わたしはといえば、エジプトの記録を書き終えておらず、心もまだナイル川界隈に残しているが、昨日からはバンガロールでの日常に強制移行している。朝から4猫らの餌を1カ月分、大量に仕込んだ。キッチンで、額に汗して、大鍋4つの料理をブレンダーにかけて細かくし、ブレンドして、容器に移し、冷まして冷凍庫に入れる。

    幸せな猫らよ。

    今日はこれから女性たちの勉強会。その後、新居の様子を見に行く。2軒の家の管理はたやすくないが、よい気分転換にもなる。来週開催のイヴェントの準備などをしつつ、2週間後の一時帰国の準備もしつつ、エジプト旅の記録も完結させよう。

    エジプト旅を経て、物事の優先順位がよりクリアになった。どんどん、どんどん、削り落として、自分ならではを、見出そう。

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    金曜の未明にバンガロールへ戻って2日余り経つ。しかしまだ、正体定まらぬ心境でいる。肉体は、飛行機に乗ってバンガロールに戻ってきたけれど。エジプトで揺さぶられた続けた魂。そのひとかけらを、ナイル川の西に落としてきたようだ。

    ギザのピラミッドの記録を書き終えて、今日はエジプトにおけるキリスト教徒「コプト」についてを記そうと思っていたが、のんびりとしているうちにも、外出の時間となった。

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    今日は、2011年12月から、我が家のドライヴァーとして勤務してくれているアンソニーの、長女の婚約式なのだ。結婚式ではなく、婚約式。昨今のインドでは、婚約式も一般的になっているようで、ソーシャルライフは益々華やかだ。

    敬虔なクリスチャンであるアンソニー。そもそもは、妻と一人娘、二人の息子の5人家族だった。しかしながら、2017年、彼らに途轍もない悲劇が襲った。年に一度の聖地巡礼の際、教会の近くの海辺で、長男が波に飲まれて溺死したのだ。
    思い出すだに、たまらない出来事だ。教会での葬儀のときの、彼ら4人の後ろ姿を、忘れることはできない。

    今日、7年ぶりに、4人が揃った姿を見た。長男もまた、そこにいただろう。彼らの笑顔を見られて、本当によかった。いろいろと思い出されて、泣けた。

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    初めて出会った時には、あどけない少年だった次男アルウィン。すっかりたくましくなっていた。兄の他界後、勤勉だった兄の遺志を引き継ぐように猛勉強をはじめた。成績がぐんぐん上がった。兄の分まで……と頑張りすぎているのではないかと心配したこともあった。

    その後、バンガロールの名門大学であるセント・ジョセフ・カレッジに進学し、好成績をおさめている。次は大学院に進む予定だ。

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    昨今のインドでは、自由恋愛が増えたとはいえ、宗派を問わず、結婚相手は両親が探すケースが圧倒的に多い。かつては毎週末の新聞に、求人広告ならぬ、結婚相手募集の広告を載せて相手探しをするのも一般的だった。十数年前からはマッチメイキングのサイトなども増えて、相手を探す手段が変わった。それでも、結婚が「家族の一大事」であることには変わりない。

    アンソニーはここ数年、アリスの結婚相手探しに頭を悩ませていた。20人以上と会ったという。インドには、いまだに花嫁側から花婿側へ持参金を渡す「ダウリ」と呼ばれる慣習が残っている。法的に禁じられているとはいえ、何らかの物品や金銭を花婿側へ供与するのは免れないとのこと。我々夫婦もお祝いということで、学費同様、支援をした。

    デリー宅の運転手もそうだが、バンガロール宅も、アンソニーが運転手という仕事を超えて、我が家の庶務をサポートしてくれている。諸々、一筋縄ではいかないインドでは、かような他者からのサポートがなければ、暮らしを回していけない。わたしたちが、4猫を残して旅に出られるのも、アンソニーが朝晩、餌を与えに来てくれるからこそ。持ちつ持たれつの主従関係なのだ。距離感の取り方もまた、非常に難しいところではあるが、これもまた、終わらない人生勉強。

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    二人の結婚式は、年内に開催されるとのこと。彼らがつつがなく、新たな門出へと歩み出せることを、心から祈る。

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    最後の写真は、2017年、我が家が保護した子猫を引き取りに来たアリスとアルウィン。すっかり大人になった二人の姿に、今日は改めて感無量のひとときだった。

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    🙏2017年11月9日。敬虔なクリスチャン一家。巡礼の旅先でドライヴァーの息子が非業の最期。
    https://museindia.typepad.jp/library/2021/11/anton.html

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    2024年4月23日未明、バンガロール発ガルフ航空 (Gulf Air) のフライトで、バーレーンを経由しエジプトのカイロへ。そこからアスワンに飛んで始まった、わたしたちのエジプト旅。

    本当に、濃密な時間だった。それは、心身魂ひっくるめての、時間旅行でもあった。

    クルーズ旅などを経てカイロに戻り、5月3日の未明にバンガロールへ戻ってきた。

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    帰路はエティハド航空(Etihad Airways)で、アラブ首長国連邦の首都アブダビを経由してのフライト。訪れた国も、利用したフライトも、すべてが初めて尽くし。エティハド航空の機内食には、インド料理とエジプト料理の選択肢があったが、迷わずエジプト料理を選んだ。これがとてもおいしかった。

    乗り継ぎで利用した、今年開港したばかりのアブダビ空港ターミナルAは、ピカピカの近未来的な空間。上空からの写真(4、5枚目)は、アブダビ空港へ着陸する間際に撮影したもの。街の様子は見えなかったが、ドバイと同様、高層ビルディングが林立しているようだ。

    同じアラブ首長国連邦の都市として有名なドバイとは、わずか150kmほどしか離れていない。ドバイの方がよく知られているのは、ドバイの主要産業が観光やホスピタリティ業、不動産業などであるのに対し、アブダビが石油やガス、化学産業などであるせいかもしれない。

    ちなみにアブダビの空港では、米国事前入国審査(プリ・クリアランス)が利用できる。これは、米国に到着する前に、ここで米国入国審査と税関検査をすませられるというもの。パンデミック以前、毎年ニューヨークへ帰っていたわたしたちは、この便利なサーヴィスを利用すべく、アブダビ経由での米国入りを検討したこともあった。しかし欧州経由のフライトを利用し、途中に欧州旅を挟む方が魅力的だったこともあり、結局一度も利用しないままだった。

    ターミナル自体も広いが、ラウンジも非常に広く、シャワールームへの道のりも遠い。シャワールームも、これまで利用したことのある空港の中では最も快適な空間だった。

    スナックや料理、ドリンク類も充実しているが、ここで飲み食いしていたのでは身体に悪い。炭酸水だけをいただいて、ラウンジをあとにした。

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    チェックインの際に、機材の変更で座席番号が変わったことを告げられていた。基本的にバンガロール発着便は、どの航空会社も地味な機材を使っているケースが多い。機材が更にダウングレードしていたらいやだなと思いつつ搭乗したところ……。なぜかファーストクラスにアップグレードされているではないか。

    これはとてもうれしかった。次回のエジプト旅行は往復路、エティハド航空を利用しようと心に決める。しかし、フライト時間は、わずか3時間弱。この状況ならばいっそ8時間くらいのフライトにして、途中熟睡させてほしいと思う。

    シャンパンで乾杯をし、遅めの夕食を味わい(これもまたおいしかった!)、少し眠ったら、バンガロールに到着した。空港を降り立った瞬間、バンガロールらしからぬ、湿気を帯びた蒸し暑い空気を感じたと同時に、雨に濡れた土の匂いがした。ずっと雨が降らず、暑く乾いた日々が続いてきたバンガロール。ちょうどこの日、久しぶりの雨が降っていた。

    エジプトにいるときから、バンガロールの降雨を願っていたので、「おかえり」と歓迎されているような気がして、とてもうれしかった。

    🇦🇪

    本日は5月10日。エジプト旅行を終えて1週間が経ち、ようやく紀行を書き上げられた。書き残しておきたいテーマについては、時間の合間を縫って綴ろうと思う。

    5年ぶりの(日本以外の)海外旅行先、エジプト。初めての体験ばかりで、本当に充実していた。20代、30代のころとは異なる類の好奇心を伴う「旅情」が、今回の旅で大いに刺激された。今後の自分の在り方についても再考させられた旅となった。

    「42回」に亘るエジプト旅記録を読んでくださった方々、ありがとうございます。🇪🇬

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