インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

MUSE INDIA / HOMEPAGE

✈︎ 過去ブログ/2005〜2025

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    現在、5月30日の早朝。出発までの15分の間に、急ぎ書き留めている。

    3泊4日のクルーズ旅を終えて、昨日早朝。総勢80名あまりのYPOメンバーたちとともに、カイロへ飛んだ。かつてキリスト教が信仰されていた土地に、イスラム教が重なったカイロ。

    街の情景に、インドのオールドデリーや、イベリア半島の町並みが感じられて独特。トルコの影響をもまた、強く受けてきたエジプト。トルコを旅したいとの思いにもかられつつ、モスクや町並みの情景を捉える。ひとつひとつの写真にキャプションを添えたいが、時間の余裕が皆無につき。

    ちなみにこの[Egypt 21〜23]の写真は、空港から直接、立ち寄ったバザール Khan El Khalili Bazaarのもの。

    メンバーはいくつかのグループに分かれて行動したのだが、わたしたちのグループにはバンガロールのMAP (The Museum of Art & Photography) の創設者Abhishek Poddar 夫妻が一緒だった。Abhishekのリクエストでガイドが他のグループは立ち寄らなかったモスクをいくつか案内してくれて、短い時間ながら、すばらしい建築物を眺めることができた。

    本当に幸運だ。

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    サマーシーズンの序章につき、昼間の気温はぐんぐんあがる。

    「エジプト旅はヴァケーションではありません。ツアーです。帰国してからヴァケーションを楽しんでください」とガイド氏。

    納得。

    長い一日は、まだまだ続く。冒険めいた旅は、体力のある若いうちにすべし。😅

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    バスの運転手たちも楽しげに朝食。

    日本起源のお米で炊かれた「ピースごはん」と海の幸がおいしい昼食。

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    少年時代に王位に就き、19歳という若さでこの世を去ったファラオ、ツタンカーメン。

    黄金のマスクや豪奢な副葬品で知られる「有名な」ミイラ。

    壁画が残るばかりの、がらんどう。

    蛇は死者を導くガイドのような存在だとのこと。龍のように脚のある蛇もいて興味深く。

    柩から出され、マスク外され、ガラスケースに横たわるツタンカーメンの亡き骸は、乾ききって虚し。

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    古代エジプトにおいて、テーベと呼ばれた地、ルクソール。現在も数多くの遺跡が残っており、エジプト観光では外せない場所のひとつだ。ルクソールの街は、南北に流れるナイル川によって、東西に分断されている。

    太陽が昇るナイル川の東岸には、カルナック神殿やルクソール神殿など「生」を象徴する建造物が点在する。一方、太陽が沈むナイル川西岸には、「死」を象徴する王家の谷や王妃の谷をはじめとする無数の墓地がある。

    灼熱の太陽が照りつける中、乾いた「彼岸(ひがん)」で墓地を巡り、ランチのあとは、「此岸(しがん)」を訪れた。

    まずはValley of the Kings。王家の谷。乾いた谷間の地中深く、無数の財宝とともに「隠れるように」弔われた王家の人々。ピラミッドが目立つ場所にあり、盗難の対象となったことから、人目に付きにくい場所が選ばれたという。

    しかしながら、時を経ていずれの墓地も暴かれ、盗掘され、失われてきた。

    古代エジプトの死生観や、歴史の変遷その他……。ここ数日で学んだことの多く、それを記さねば遺跡の意味がわからないと思うのだが……。現在、夜の11時。3泊の船旅を終えて、明日の朝、首都カイロへ飛ぶ。眠たい。ゆえに、写真だけでも残そうと思う。

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    濃厚な一日を終えて夜。エジプトとはいえ、我々グループに貸し切られているこのクルーズ船。食事のブッフェもエジプト料理にインド料理が加えられ、しかし違和感なく調和している。

    旅の幹事が用意してくれたエジプトのコスチュームを身にまとってのパーティ。平たい顔族のわたし以外、みな、似合いすぎている。というか、これもまた違和感がなさすぎる。というか、普通。

    今は28日、日曜の朝。本当は気球旅を楽しむ予定だったが風のため中止になっていた。残念だが、むしろ助かった。なにしろ早朝5時集合の予定だったから。それでも現在7時。なかなかに早い出発である。

    にも関わらず、友人らはボリウッドソングやらABBAやらで踊って騒いで深夜まで。元気すぎる。とてもついていけない。引き止められるのを振り切って部屋に戻って寝た。さて、今日は更に、濃厚な一日となる。楽しみだ!!

    写真は船内の様子。料理の説明もしたいところだが、割愛。

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    エジプトの古代遺跡といえば、ピラミッドやスフィンクス、王家の谷くらいしか知らなかった。世界四大文明の一つがエジプト文明であり、ナイル川は世界で一番長い川であり、ナイル川のデルタは肥沃な三角地帯であり……と、地理や世界史の授業で習った程度の知識。

    思えばインド移住前の、わたしのインドに対する知識はその程度だったし、それは遍くどの異国に対しても同じこと。いや、母国日本のことでさえ、実は知らないことが多いと思う。生きている限り、学生のころよりもむしろ、大人になってこそ学びたいことが、次々と湧き出てくるということを、改めて思う。

    特にわたしが日頃から語り綴っているところの「歴史を知ることの大切さ」。それは自分に対しても、いい聞かせ続けていること。1988年。社会人になって初めての海外取材で、台湾を訪れて以来の指針だ。

    今日のガイド氏も、説明の途中にそのことを強調していた。カイロ出身の彼は子供のころ、親に連れられて英国の大英博物館を訪れた。そこで見聞きしたことは、以降の彼の人生に大きな影響を与える。

    「繰り返される戦争を回避するためには、歴史を学ぶ必要があるのです。そこから打開策を導くことができます」と力説していた。

    アスワンでのガイド氏とも、その話でしばらく盛り上がったものだ。西欧史観の書籍だけを頼りに勉強していたのでは真実は見えない。歴史は書き手によって大きく変わる。英国人が書いたのではない、エジプト人によるもの、インド人によるもの、異なる立場や視点、あるいはイデオロギーから記された複数の書物を紐解く必要があると。

    専門家や歴史家でもない限り、膨大な情報を紐解き咀嚼し吸収することは不可能で、しかし、せめて自分の知識は浅薄で、だから他者をたやすく軽んじるのは危険なことだということだけでも、心がけたいものである。さすれば、争いは軽減する。

    🇪🇬

    地理的に「中央」に位置付けられることの多いエジプト。この国の置かれてきたポジションもまた、一筋縄ではいかないということが、わずか数日のうちにも感じられる。

    さて、午後はエドフ神殿 (Edfu Temple) を訪れた。紀元前57年に完成したハヤブサ神ホルスに捧げられた神殿だ。

    建立以来、2000年以上の歳月が流れたということが信じがたいほどに、壮大な建造物、壁という壁に施された多様なレリーフの迫力に、ため息の連続だ。目に飛び込むすべてに、神々と人間を含む生きとし生けるものとの関わりの物語が刻まれている。

    古代遺跡のハイライトを観光する前の序章の段階で、想像を遥かに凌駕する経験をしている。未知なる世界の広さを思う。明日はいよいよルクソールに到着だ。今日よりも更に濃密な一日になる。

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    ヒエログリフが象形文字であるということは知っていたが……こんなにも「かわいらしい」形をしていて、楽しい文字だとは思わなかった。

    大小様々なレリーフに刻まれた神々はじめ、無数のモチーフの、どれもこれもが興味深い。生命の鍵、ホルスの目、ヒエログリフのカレンダー、出産する女性、医療器具……。

    色々と書き留めたいが、これからサンセット・パーティらしい。ということで、写真だけでも備忘録。

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    今は4月27日の夕暮れどき。船室の、左手の窓に、沈みゆく夕日を眺めながら、ペンを執っている……もといキーボードを叩いている。

    今日は、ランチをはさんで午前、午後と2つの街に停泊し、2つの寺院を訪れた。その合間に、船内での考古学者によるレクチャーを受ける。船旅の序盤にして、古代エジプトの神秘が炸裂。脳内が混沌としている。

    実は今も、サロンでレクチャーの第2部が行われているのだが、今日一日の情報量を消化できていないところに詰め込むのは無理。夫に「あとで要点を教えて」と伝え、わたしは、経験の片鱗を書き留めるべく、束の間、ひとりの時間を過ごしている。

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    今朝は太陽が昇るころ、アスワンを出航する船のざわめきで目が覚めた。甲板に上がれば、昨日の砂嵐が嘘のように、爽やかな風が吹いている。軽くエクササイズをして、一日のはじまり。

    朝食の後、船を降りてコム・オンボ神殿 (Kom Ombo Temple)を訪れる。コム・オンボとは、「金の山」を意味するとのこと。神殿は、ハヤブサの頭を持つ「ホルス神」とワニの頭を持つ「セベク神」の2神を祀っていることから、入口をはじめ全体が二重構造になっている。

    紀元前より1000年以上の歳月に亘り増築などが行われており、ローマ皇帝アウグストゥスの時代に完成したという。ゆえに、ギリシャのアクロポリスのような建築も見られるそうだ。(次の投稿に続く)

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