インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

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彼女からのメールを初めて受け取ったのは、ミューズ・クリエイションを設立して2カ月後の2012年7月下旬。わたしのブログを見て、活動内容に共感を覚え、参加されたいとのことだった。4年後の2016年3月に帰国されてからは、一度もお会いすることができなかった。

2017年、わたしが一時帰国した際、ミューズ・クリエイション5周年の同窓会を名古屋と東京で実施した。その際、体調がお悪いとのことをお聞きしていた。最後に連絡を取り合ったのは、去年の8月。「ミューズ・チャリティフェスト2020」の実施をかつてのメンバーにお送りした際、返信をくださった。体調はまだ思わしくないが、8人ものお孫さんに恵まれたことを、報告してくださった。コロナが明けたら、日本でお会いしましょうとやりとりをした。

昨日の朝、ご主人から訃報を受けた。6月14日に他界されたとのことだった。その瞬間から、自分でも驚くほどに、涙がこみ上げてきた。次々に、彼女の笑顔が思い浮かぶ。

ミューズ・クリエイションで4年弱、活動を共有したとはいえ、個人的に深いお付き合いがあったわけでもなければ、頻繁に連絡を取り合っていたわけでもない。だから、過剰に悲しみすぎるのもよくないと思いつつも、昨日は何にも手につかず、2012年からの、活動の記録を紐解いた。手元に残っている写真などを見返した。そこには、予想していた以上に、たくさんの笑顔が眠っていて、一つ一つの情景が、まるでつい先日のことのように思い返される。

ご家族は、ミューズ・クリエイションでの彼女のご様子をご存じないだろうと思われたので、写真を集めて思い出の動画を作ることにした。懐かしい出来事を拾い集めながら、しばしば、時が止まる。これは喪失の悲しみというよりむしろ、懐かしさ、そして、彼女への感謝の思いだ。

そもそも独立独行、仕事優先で生きてきたわたしが、ミューズ・クリエイションを立ち上げ、毎週金曜日をオープンハウスにし、活動を始めた。さまざまな因果関係が重なって、この活動を始めるに至ったが、自分でも自分の考えがわからなくなることもあった。

未知なる特殊なグループ活動ゆえに、当初は試行錯誤の連続だった。2012年6月から2020年3月までの期間、在籍したメンバーはのべ228名。入れ替わりが多く、常時40〜50名が在籍し、毎週20名前後、多い時期は30名以上が集っていた。

自分の中では「本業の傍らの社会貢献活動」と位置付けていたが、振り返れば「傍ら」と呼ぶには濃密な、それは活動だった。自宅を拠点とするからには、いい「気」を保っていたい。ポジティヴな空間を維持することを最優先にしてきた。ミューズ・クリエイションの活動に賛同して参加される方が大半なので、概ね問題ない歳月ではあったが、それでも、不本意な状況に陥ることはあった。

彼女とは、ゆっくりと二人で話したことはない。けれど、常に安定した思いやりと、確かな「筋道」をお持ちだった。やさしい物腰のなかにも、ご自身が仕事のキャリアをお持ちで、3人のお子様を育て上げられた強さを滲ませていた。

わたしはメンバー向けに「ミューズ・クリエイション通信」というものを週に1、2回発信していた。そして、金曜日の参加者には、個別にメールで返信してもらっていた。あえて手間がかかることをしていたのは、それぞれのメンバーと「個別に言葉を交わす」手段がそれしかなかったからだ。

彼女は、「今週の金曜日、2時ごろおうかがいします」という言葉のあとに、なにかしらのメッセージや、労いの言葉を添えてくれた。心惑うこともあるなか、間接的なそういう一言が、どれだけ心丈夫だったか。

彼女はまた、ミューズ・クリエイションが関わる慈善団体のひとつを、定期的に訪問、スラムに暮らす子どもたちと放課後、一緒に遊ぶ活動を始めてくれた。それは、わたしがミューズ・クリエイションを創設した当初から願っていたことで、他のメンバーを誘って実践してくれたことを、とてもうれしく思い出す。

2013年、インドに天皇皇后両陛下がいらした際、チェンナイで開催されたお茶会にお招きいただいた。そのとき彼女と共有した稀有な出来事もまた忘れ難い。我が夫の計らいでTANISHQのジュエリー工場を見学した際、金の延棒を手にして満面の笑みを浮かべる彼女の写真は、本当に大好きな一枚だ。

思い出は尽きず。

選んだ写真は200枚に及び、そこから絞り込んで、SAREESの2曲をバックグラウンドミュージックに8分ほどの思い出動画を作った。ご家族にはすでにお知らせしている。

少し落ち着いたら、オンラインで「偲ぶ会」を開けたらと思う。こうして活動を振り返り、メンバーと経験を再共有できることはまた、彼女からわたしたちへの、ギフトなのだと思う。ありがとうございます。

💝ミューズ・クリエイションメンバーはじめ、彼女を偲んでくださる友人知人各位に、動画のURLをお知らせします。坂田の下記アドレスまで直接メールをお送りください。なお、動画は限定公開としていることから、他者へのシェアはお控えください。mihosakatamalhan@gmail.com

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