インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

MUSE INDIA / HOMEPAGE

✈︎ 過去ブログ/2005〜2025

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    昨日はランチのあと、3時を回って夫と二人、出かけることにした。友人のDevikaのFacebook投稿で知ったアーティストの展示会を見ようと、まずは開催場所のインド国際センターへ。広大なロディ・ガーデンにほど近いこの界隈は、国際機関やアートディストリクト、閑静な住宅街がある緑豊かなエリアだ。

    さて、インド国際センターは、わたしにとって忘れられない場所のひとつ。2001年7月。初めてのインド。初めての結婚式。インターネットでの情報も少なく、下調べもままならないまま、ニューヨークからニューデリーへと飛んだ。

    日本からは、両親と妹夫婦が出席してくれる。当時、父は末期の肺がんから奇跡的な回復を見せ、前のめりの姿勢で結婚式に来てくれることになっていた。わたしとしては、自分の結婚式もさることながら、父の体調はじめ、家族が一連の行事を無事に終えて帰国してくれるか、そのことばかりが気になっていた。

    彼らには快適なホテルを予約してほしいとお願いしていたのだが、手配されていたのは、このインド国際センターの宿泊施設だった。

    案内してくれたのは、今年他界された義姉の夫の父君。高名な博士だった彼は、科学者会議などを通して、日本の上皇陛下と交流をお持ちだった。このインド国際センターは、上皇陛下が皇太子時代の1960年にインドを訪問された際、定礎式に参加されている。

    礎石には、”PRINCE AKIHITO” の文字が読める。下部に記事のリンクを貼り付けているが、そんな経緯もあり、わたしたち家族を、日本にゆかりのある場所だからということで、招いてくださったのだった。

    博士が、この礎石を示しながら、日本との関わりを語ってくれたことを、ついこの間のことのように思い出す……が、しかし! 建築様式こそ味わい深いものの、21年前の宿泊設備は、ユースホステル的なシンプルさ。わたしと夫も別の部屋を取り1泊したものの、とてもリラックスできたものじゃない。

    かつては白かったのだろう、灰色めいたタオル。

    床を往来する無数の蟻。

    温度調整に高度な技術を要する冷房。

    大学の学食のようなダイニングルーム……。

    初めてのインド。しかも盛夏。ここで1週間余りを過ごしたのでは、体調を壊されてしまう!

    どう考えても無理。手配をしていただいて、恐縮極まりなかったが、背に腹は代えられぬ。かくなる次第で1泊したあと、別の快適なホテルへ移動してもらったのだった。……と文字にすれば一瞬だが、実に激しい喜劇だったあの結婚式の一部始終を、改めて思い出す。

    思い出は尽きず、アートの展示会に話が及ばない。

    🇮🇳インド国際センター(IIC)
    https://iicdelhi.in/

    🇯🇵チェンナイにて。天皇皇后両陛下御拝謁のお茶会参席を巡る個人的な体験(2013年の記録)
    https://museindia.typepad.jp/library/2013/12/japan.html

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    夫の亡母の兄である、Ranjit伯父、そしてNina伯母の家に招かれた夜。大家族が多いインドにあって、夫の家族や親戚は非常に少ない。夫の唯一の従兄弟であるAdityaとTanuも合流し、6人での会合。たぶん10年ぶりだ。当時はまだ子供だった従兄弟夫婦の娘たちは、今、米国の大学に進学している。

    これまでも折に触れて記してきたが、夫の家族の物語は、インド独立の歴史を知る上でも、個人的に、とても興味深い。

    実業家であり政治家だった祖父。彼は鉄鋼会社と製糖会社を経営していたが、製糖会社が「サラスワティ」という名だった。わたしが好きな、芸術や学問、音楽を司るヒンドゥー教の女神だ。弁財天の起源でもある。

    彼の書斎に飾られていたというタゴールの彫像。文学を愛するフリーダムファイターでもあった祖父の形見だ。これは新居に飾るべく、今回はバンガロールに持ち帰る。西ベンガル州のクリシュナナガールで作られたものらしい。タゴールの表情が、あまりにもリアルで、少々怖いほど。

    夫の実家には、祖父の形見は、あまり残されていない。しかし、このタゴールや百科事典、そして日本旅の際にもらったのであろう漆器や古伊万里などがある。さまざまにご縁を感じる。

    伯父の家には、祖父の姉婿(伯父の伯父)が香港に駐留していた際に集めたという中国の骨董品が飾られている。夫とともに映る仏像もその一つだ。その彼としかし、伯父は会ったことがないという。伯父は1941年、日本軍のマレー作戦により、コタバルの船上で戦死した。今回、調べてみて驚いた。太平洋戦争の端緒は真珠湾攻撃だと思っていたが、そうではなかった。

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    「マレー作戦は、1941年12月8日に太平洋戦争で日本軍が実施した南方作戦内のイギリス領マレー方面の作戦。マレー作戦は太平洋戦争において全ての他の作戦に先行して攻撃を開始した(同時開始予定の海軍の真珠湾攻撃が作戦の都合上1時間以上繰り下げられたため、当作戦が事実上、太平洋戦争の開戦である)」Wikipediaより抜粋
    ++++++++++++++++++++++

    ともあれ、激動の時代に、収集された骨董品の数々が無事にデリーに届いている背景もまた興味深い。おいしい料理をいただきながら、しかし会話に夢中となる夜。伯父も従兄弟も、ビジネスでしばしば日本を訪れており、福岡や有明にも足を伸ばしている。過去、現在、そして未来の、個人レベルでの日印交流についても改めて、思いを馳せる夜。

    なお、インド・パキスタン分離独立を巡る、夫の家族の物語については、ブログに長大なる記録を残している。ひとつの家族のエピソードを通して、当時の状況の片鱗を、臨場感をもって確認できるかと思う。関心のある方はどうぞご覧ください。

    🇮🇳🇯🇵8月15日。インドの独立記念日と日本の終戦記念日が同じ日なのは偶然ではない。印パ分離独立を巡る家族の物語など
    https://museindia.typepad.jp/library/2021/08/815.html

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    デリーに来ると、「歴史の重さ」に圧倒される。家にいても、外に出ても。

    パパの他界直後の大掃除では手付かずだった写真や書類の整理をしようと、埃かぶったアルバムなどを取り出す。モノクロの写真に、インドの歴史が映し出される。40代で慢性白血病を発症した実母の、圧倒的な日記に絶句する。

    これはもう、さらっと片付けられるものではない。後回しだ。

    昨日は夫と二人で外出。まずはコンノート・プレイス界隈へ。今回の旅で大切なミッション、それは夫の寝間着用の「パジャマ&クルタ」を買うこと。英語で「パジャマ」とは寝間着を意味するが、これはヒンディー語でズボンを意味する「パージャーマー」から来ている。ゆったりとしたインドのズボンを、英国統治時代に英国人が寝間着として着用していたことから、寝間着全般をパジャマと呼ぶようになったらしい。

    つまり、パジャマとはズボン、クルタとは上着のことだ。夫は子供のころから、白いパジャマ&クルタを寝間着として着用しており、他の一般的な寝間着では寝られない。パパの存命中は昔ながらのお店から購入し、バンガロールに来るたびにお土産として持ってきてくれていた。

    パパがいなくなり、白かったはずのパジャマはすべて、薄ら灰色となり、ところどころ破れたりもしているものばかり。新しいものをネットなどで注文するも、お気に入りの銘柄でなければ、どうもよくないらしい。何度か購入&返品を繰り返した末に、妻は匙を投げていた。

    そんな次第で、パパが行きつけだった衣料品店へ趣き、どっさりまとめ買い。これで向こう何年かは必要ないだろう。

    その後は、マルハン家やミューズ・クリエイション(NGO)がお世話になっている会計士事務所を訪れ、長いお付き合いの会計士氏にご挨拶。外国人としてのわたしが、この国で仕事をする上での、気をつけねばならないことなどを、改めて確認する。どんなに長く暮らしても、我は外国人であるには変わりなく、最新の情報をアップデートしておく必要がある。初心を忘れてはならないなと思う。

    会計士事務所のそばに、The Shopがあったので立ち寄る。このお店のハンドブロック・プリントのテキスタイルはとても魅力的。数は少ないもののメンズのクルタやシャツもある。寝間着ではなく、外出用にすてきなクルタを発見したので購入。

    買い物が好きではない夫。バンガロールではほとんど衣類を買うことがなく、年に一度のニューヨーク旅でまとめ買いをしていた。しかし、ニューヨークへも、3年訪れていない。ゆえに久々のお買い物なのだ。

    その後は、インド門を経由して、カーン・マーケットへ立ち寄りランチ。なんとなく入った店の雰囲気がよく、料理がおいしくて、うれしい。

    日用品店から高級ブティック、飲食店と、ジャンルもバラバラな店が立ち並ぶ非常に便利なカーン・マーケット。デリーに来るたびに訪れており、今回もじっくり回りたかったが、自分のミッションをすませた夫が帰宅したがる。また改めて来よう。

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    2020年1月。義父のロメイシュ・パパが急逝した。筆舌に尽くしがたい混沌の日々を、デリーで過ごした。

    その翌月2月。さまざまな「処理」や「片付け」のために、再びデリーへ。

    夫は、事務的な仕事を。そしてわたしは実家の大掃除に明け暮れた。人に頼めない、諸々の取捨選択。悲しみをエネルギーに転換するように、思えば阿呆のように働いた。片付けの達人であるわたしも、ほとほと、疲れた。

    それ以降は、頻繁にデリーを訪れ、新たな仕事も始めようと考えていた。しかし3月の予定は、COVID-19によるロックダウンにより中止。以来、タイミングを逸し続けて2年8カ月。パンデミックを経て、ライフに対する考え方も、少なからず変化した。

    空港に降り立てば、歳月の隔たりを感じさせない身近な空気。そのくせ、観光客よろしく、写真撮影をするなど。

    勤続30年余りのドライヴァーに出迎えられ、自宅へ戻る帰路。いつも陽気な笑顔で出迎えてくれるパパはもういないのだと思うと、胸が迫った。
    そんな感傷に浸る間もなく、荷物を降ろしてまもなく、所用で外出。日が暮れて、ようやく帰宅。

    わたしたちがデリーに来ると、パパはいつでもうれしそうに出迎えてくれた。そして書斎のGodrajの鍵付きクローゼットを開けてアルコールを取り出し、

    「美穂、今夜はなに飲む? ビール? 白ワイン? 赤ワイン?」

    と、尋ねるのだった。わたしと一緒に飲むことを、いつも楽しみにしてくれていた。

    久しぶりに冷蔵庫を開けたら、2年8カ月前に買っていたスパークリングワインが、ぽつんと横たわっていた。

    パパ、今日はとりあえず、これを開けるよ。

    人生つくづく、いろいろある。文字に残せぬさまざまがある。それでも、生きているからには、自分の使命を見定めて、ちゃんと生きねば。

    3年前、わたしがバンガロールで撮影したパパは、わたしを眺めながら、わたしをも見守ってくれている。

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    太陽の傾き。差し込む日差し。無口な情景に、ノスタルジア。

    明後日27日から、2年8カ月ぶりにデリーへ飛ぶ。

    2020年にロックダウンに突入して以降、一度も訪れないままのデリー宅へ。

    思いは募れど、わずか1週間の滞在。

    ディワリのあとで空気も悪かろう。結構、寒くもあるだろう。

    快適なバンガロールの気候に甘やかされた身には、厳しい環境かもしれない。

    無理をせずに、過ごそうと思う。

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    📷Professional work プロの仕事。(日本語は下部)

    I wore a “Kyoto Yuzen Saree” to the Diwali party the other day. The photos taken by the photographers were sent to me today.

    Fantastic! 

    No matter how high the quality of the iPhone has improved, it is only a skilled photographer who can capture the exceptional moment.

    Once again, I am reminded that important work should be left to the professionals.

    🇯🇵「京友禅サリー」デビューを果たした、先日のDiwaliパーティ。フォトグラファーが撮影した写真が、今日、送られてきた。

    さすが! の一言に尽きる。

    どんなにiPhoneのクオリティが上がっても、「魅力的な瞬間」を捉えられるのは、腕のいいフォトグラファーだからこそ。

    改めて、大切な仕事はプロに任せるべきとの思いを新たにする。

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    夕方、新居から旧居に戻った。本当ならば、新居でゆっくり過ごしたかったが、猫らが心配だったからだ。

    爆音は、動物たちにとってストレスになる。どんなに音が激しくても、わたしたちがいると、彼らもきっと安心だ。

    夫と二人で簡単なプージャー(儀礼)をし、夕飯を食べて、少しだけ、花火をした。

    最初は爆音に驚いていた猫らも、今は慣れて、眠っている。

    遍く世界に光多からんことを。

    Happy Diwali🙏

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    🇯🇵日本から来ました! 欧州発、日本経由インド。旅するマジョリカ・タイル。 Made in Japan. From Europe, India via Japan. Traveling majolica tiles.
    https://museindia.typepad.jp/library/2021/09/tile.html

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    パンデミックの影響で、不自由だった過去2年。しかし今年はもう、インド世間は従来に増して、ホリデー気分が盛り上がっている気がする。実際のところ、先ほど確認するまで、本当のディワリーの日程を把握していなかった😅

    ヒンドゥー教における新年のお祝いであり、美や富、豊穣を司るラクシュミーという女神を崇める祝祭、ディワリー。5日間に亘るお祭りの詳細は割愛。

    女神を家に招き入れるため、部屋を掃除し、光を灯す。花火を打ち上げ、爆竹を鳴らしまくる最も賑々しい「ラクシュミー・プージャー」は、明日24日らしい。しかしすでに、世間はうるさい。

    昨夜は新居のご近所さん宅で開催されたパーティに招かれた。200余のヴィラが建築される予定のゲーテッド・コミュニティだが、現在、居住しているのは約20世帯。その大半が、フェーズ1というエリアに暮らしている。我が家のあるフェーズ2の周辺は、絶賛工事中。ゆえに当面は平日を旧居、週末を新居で過ごす体制をとっている。

    さて、昨夜もまたサリーに着替えて出陣。普段は閑静な住宅の一隅から、轟音が響き渡る。通りと駐車場スペースが見事なパーティ会場となっている。

    WhatsAppのグループでやりとりはしていたものの、実際にお会いする人が大半。グラス片手に、大音響の中、自己紹介をし合う。本当に、喉がやられる。

    類は友を呼ぶ……とは異なるが、我が周辺。毎度、日本と関わりのある人が多くて驚く。昨日もまた高確率だった。自社と日本企業が合併した人、日本にクライアントがいて年に数回訪れる人、家族揃って日本が大好きで何度も旅に出たことがある人、寿司が好きすぎる息子がいる人、日本のアニメが好きだったけど最近はK-POPが好きで、しかしわたしに会いたいという娘がいる人……。

    ムンバイでご近所に住んでいたらしき人もいれば、わたしたちの旧居と同じアパートメント・ビルディングに、かつて暮らしていて、拙宅で開催していた「ミューズ・チャリティバザール」に来たことがあると言う人もいる。びっくりだ。

    さらには、このコミュニティの開発会社Total EnvironmentのCEOであるKamal。数年前、彼と会った時に、建築様式やライフスタイルの嗜好に共通点を見出し、話が弾んだ。その彼が子ども時代に住んでいた、ムンバイのカフパレードのビルディングは、わたしたちが2008年から2年間住んでいたビルディングと同じだと、ムンバイでのご近所さんに聞かされた時には、驚いた。

    ご縁がある人とは、とことんご縁がある。会話をしなければ知ることのない、しかし互いを紐解けば、世界は、共通項にあふれている。それは多分、偶然ではない。定められたレールの上に広がる、あらかじめ決められた情景なのだということを、このごろは、切に思う。

    さて、昨日は「カンボジアの伝統技法によって織られたアンドラ・プラデーシュ産の絣(かすり)」のサリーを着用した。これは昨年、Mrinaliniの展示会で購入したもの。Mrinaliniのオーナーはご近所さんのYasho。ちなみに彼女の夫が、空港のHariだ。

    展示会では、Yashoが厳選した、職人の技が光るサリーが数多く展示されていた。欲しいものが多数あったが、その中の2枚を購入。1枚目は、新居のプージャーで着用し、2枚目は、今回初めて着た。思えば、新居のプージャーに立ち会ってくれたのは、YashoとHariだった。インドの伝統や文化に関しても、非常に博学なYasho。彼女から学ぶことは多く、ありがたいご縁だと、つくづく思う。

    動きやすいように、パルーの部分を折り曲げ、最近のトレンドである「ベルト」を使用。ブラウスは、ボートネックに仕立て、背中は隠している。それだけで、従来のサリーとは雰囲気がガラリと変わるから楽しい。

    語って、踊って、飲んで、食べて……。毎度体力勝負だが、無理は禁物。日付が変わってまもなく、妻は退散。徒歩で帰宅できる気軽さが心地よく、夜風もまた心地よく……いい夜だった。

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    🇮🇳インドはお祭りシーズン序章。またしてもサリーの海へ。(19/09/2021)
    Mrinalini. A platform to help handloom weavers across the country.
    https://museindia.typepad.jp/fashion/2021/09/saree-1.html

    🏡結婚式を思い出す。炎に祈り、煙で清めるPooja(プージャー/儀礼)
    https://museindia.typepad.jp/fashion/2022/05/puja.html

    🥻1985年の夏。米国西海岸での1カ月のホームステイが変えた我が人生。ゆえに。
    https://museindia.typepad.jp/2022/2022/09/hs.html

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    以下、超長文ですが、バンガロールの新しい玄関口に関する話題につき、ぜひ読んでいただきたい内容です。
    (I nearly always write in Japanese, and the auto-translation is often incorrect and misleading.)

    インドに移住して17年。昨日ほど、この南天竺バンガロール(正式名称ベンガルール)を終の住処と決めてよかったと、思った日はなかった。

    ヒンドゥー教のお正月、ディワリを前に、ホリデームードに溢れるインド。そんな中、昨日は、12月下旬に開業するケンペ・ゴウダ(ベンガルール)国際空港の第2ターミナルを見学するという好機を得た。

    案内人は、同空港を運営するBangalore International Airport Limited (以下BIAL)のCEOである友人のHariだ。

    旅が好きで、空港が好きなわたしは、2013年に新居を購入すべく物件探しをした際も「空港界隈」に絞り込み、Total Environmentという開発会社のAfter the Rainという物件を購入した。完成が遅れに遅れ、5カ月前にようやく暮らせる状態になった。ちなみにHariの家族も、我々と同じコミュニティに暮らしている。

    年々、都市部の拡張を続けてきたバンガロール。空港界隈はまた、未来、多彩な商業施設が誕生し、利便性も高まるだろうとは予想していた。しかし昨日は、その予想を遥かに凌駕する、すばらしいプランを知り、そして完成を目の当たりにし、心が震えた。

    現在、利用されている第1ターミナルは、2008年に創業し、国内線、国内線の両方が就航している。インドでは、過去数十年で、空港利用者が爆発的に増えてきた。多分、予測不能のレベルでの増加だったに違いない。

    第2ターミナルの拡張プロジェクトは、2014年に始まり、2018年に工事が開始した。パンデミックの影響で、第2ターミナルのビルディングの工事は遅れたものの、2020年12月には新しい滑走路も完成している。今後は、第2ターミナルに全ての機能が移行され、その後、第1ターミナルは改装工事に入るとのこと。

    そんな大雑把な背景は知っていたものの、どのようなコンセプトで新空港(第2ターミナル)が誕生するのかは、昨日まで全く知らなかった。

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    ツアーの前に、Hariはじめ関係者のプレゼンテーションが行われた。2003年に初めて、ボロボロのバンガロール空港に降り立った時のことを思うと、それはまるで、夢物語のような世界だった。詳細を記したいが尽きない。細かなことは完成後にまたレポートするとして、コンセプトだけでも記しておきたい。

    [Four Guiding Principles/4つの指針]

    1. Terminal in a Garden/庭園の中のターミナル
    2. Sustainability/サステナビリティ
    3. Technology/テクノロジー
    4. Art & Culture/芸術と文化

    このキーワードを聞くだけで、どんなものかとワクワクしてくる。実際に目にしなければ「絵に描いた餅」ではないかと思われるほどの、それは細部に至るまで理想的なプロジェクトである。

    ✈︎ 都市化が進む昨今では「ガベージシティ(ゴミの街)」の汚名を持つバンガロール。しかし従来はガーデンシティ、エアコンシティと呼ばれていた。だからといって、最初から緑溢れる土地だったわけではなく、そもそもは乾いた高原地帯だった。

    バンガロールの創始者であるケンペ・ゴウダ1世(空港の名称になっている)は、都市形成の際、土地を潤すため、多くの人工湖を作った。その後、バンガロールの緑化に貢献したのは、マイソール王国の藩主ティプー・スルタンだ。バンガロールにある樹木の多くは、彼が1700年代に海外から輸入した「外来種」である。英国統治時代には、英国人によっても緑化が進められた。

    ラル・バーグ植物園やカボン・パークでは、樹齢数百年を超える多彩な樹木を見ることができる。第2ターミナルは、その「ガーデンシティ」を再誕させているといっても過言ではない。まさに「庭園の中の空港」なのだ。

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    広大なナーサリーの一隅を見学させてもらったが、そこは、数千年前の古来からインドに存在する種の樹木をはじめ、世界各国から運ばれてきた無数の樹木や植物が溢れていた。樹齢数百年の、しかし小ぶりの木々。日本から来た木もある。わたしが一緒に写っているのがそれだ。西ガーツ山脈の西、デカン高原の南に位置するバンガロールは、土壌に恵まれていることもあり、多くの外来種が根付きやすいという。

    工事に際しては、土(Soil)を外に運び出すことなく、敷地内で有効活用。深く掘られた堀の壁面は、緑で覆われるという。庭園には巨大な人工湖が建築中だったが、湖の底は特殊な形状をしている。それは、湖で貯められた雨水を浄化するシステムだ。空港で使用する電力及び水資源は、自給自足されるという。

    ランドスケープ(庭園)担当者のプレゼンテーションもまた、機知に富み感嘆するばかり。樹木の選定に際しては、インド神話の『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』なども参考に、5000年以上前の植物や樹木を検証。水を枯渇させない環境づくりを考慮したという。話は、蓮や睡蓮など神々の花、仏陀や日本の「森林浴」にも及び、彼らが数百年先に止まらず、数千年先を見ているような口調に、眩暈がするようでもあった。

    ✈︎ そして芸術と文化のプロジェクトもまた、すばらしい。インドの伝統と現在を調和させるべく、40人のアーティストによる60の作品がターミナルを彩るとのこと。まさに不易流行の世界だ。アーティストの中には友人も名を連ね、とてもうれしい。

    話は空港にとどまらない。

    ✈︎ 空港周辺に暮らす人たちの雇用機会を生むのはもちろんのこと、「学校づくり」も実施している。ここで注意したいのは、インドの義務教育の仕組み。話が長くなるが、Government Schoolと呼ばれる公立学校は、州にもよるが、教育の環境が整っていないところが多数だ。「校舎はあるが先生が揃わない」「トイレが不潔、あるいは機能していない」などさまざまな問題がある。

    数合わせで校舎が作られても、機能していなければ意味がない。この点については、話が超絶長くなるので割愛する。

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    ともあれ、Hariのプレゼンによれば、界隈に6つの学校を作る。それも近代的で機能的な建築によるものだ。校舎もまた空港同様、サステナブルなコンセプトで建築され、トイレなどは空港と同じクオリティのものを設置するという。すでに完成している写真も見たが、それは本当にすばらしいものだった。

    「この学校に通った子どもたちが、10年後、空港で働いてくれることを、わたしたちは夢見ている」

    とのHariの言葉に、思わず泣けた。

    ✈︎ プレゼンのあとは、工事中のターミナルを見学。中に入るなり、息を呑んだ。こんな空港、見たことがない! すばらしいの一言に尽きる。これが本当に、バンガロールの新しい港なのか。今はまだ、写真をシェアすることはできないので、開港後に紹介したい。

    ✈︎ そして、昨日のイヴェントで最も感激したのは、「植樹」だった。搭乗者だけでなく、誰もが訪れることのできる空港の一大庭園。その一隅に、ツアー参加者30名のそれぞれの木が、用意されていたのだ。

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    2003年。縁もゆかりもないこの土地を、「旅行で」訪れたときから、ここに住みたいと思った。あれから19年。筆舌に尽くし難い紆余曲折があったが、今こうして、夫婦そろって元気に、ここで暮らせている。

    異邦人であるわたしは、ここを終の住処と決めたとはいえ、折に触れては、寄る辺ない心許なさを感じることもある。しかし、この「わたしの木」は、この大地に根を張り、やがて大樹となるのだ。老人になり、遠出ができなくなったとしても、この公園に来て、自分の木の下で、くつろぐこともできるだろう。

    帰路、第1ターミナルのブリュワリーでビールを飲みつつ、感極まれり。涙ながらに夫に心情を話す。共感しながらも、

    「木ならさ、近々、自分たちの家の庭にも植えるじゃない」などと、まったく情緒のないことを言いだすから、毎度、感傷に浸れない。そう言うことじゃ、ないやろ!

    簡潔にまとめるつもりが、長くなった。第2ターミナル完成の暁には、すぐにも再訪しようと思う。このすばらしい機会を与えてくれた関係者に、心から感謝する。

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