東京で働いていた20代のころは、異国を夢み、旅に憧れ、ひたすら海の向こうを目指した。米国で働き暮らした30代のころは、自分のキャリアとライフの構築に精一杯。日本への関心は薄かった。
40歳でインドに移住し、インドの伝統工芸に触れることで、そこに日本のルーツを見いだすことが増えた。インドと祖国とのつながりを知るにつけ、関心は高まる。
そして50歳を過ぎてからは、日本の伝統工芸品の、まさに「匠の技」に感嘆する機会が増えた。世界各国を旅し、無数のミュージアムを訪れ、あるいは職人の仕事を目の当たりにすることで、いつのまにか、自分なりの審美眼が備わっていた。
若いころには「見えなかった」日本の魅力が、帰国するたび、浮かび上がるように、見えてくる。同時に、勉強したいことが募る。
歴史や伝統や文化を包摂し、象徴する、麗しい品々を、インドの人たちにも紹介したいと切に思う。人生とは、面白いものだ。










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