インド百景 2021-2025

天竺の、風に吹かれて幾星霜。ライター坂田マルハン美穂が、南インドのバンガロール(ベンガルール)から発信

MUSE INDIA / HOMEPAGE

✈︎ 過去ブログ/2005〜2025

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    今回滞在した「ホテル ザ セレスティン京都祇園」は、本当に地の利がよいホテルであった。臨済宗建仁寺派の大本山の寺院である「建仁寺」に隣接し、日々、建仁寺の境内を通過して出かけ、帰宅していた。ホテルに戻る前に、建仁寺の門を潜るとき、心の中で「ただいま〜」とつぶやいた。

    建仁寺を開山したのは、日本に臨済宗を正式に伝えたとされる栄西。栄西は貴族だけでなく、庶民に茶の習慣を普及させた人物としても知られる。

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    先日も記したが、建仁寺の両足院では坐禅を体験できることから、夫は訪れた。また彼は、旅の間も毎朝のようにジョギングに出かけていたのだが、この建仁寺や八坂神社やなどにも足を伸ばしていた。

    俵屋宗達の「風神雷神図」を間近にみられる法堂。天を仰げは、ダイナミックな「双龍図」が踊る。これは2002年、創建800年を記念して、小泉淳作氏により描かれたという。

    1週間の間にも、艶やかなシャクヤクは散り、一方でツツジが咲き誇るなど、季節の移ろいを確認できた。四季折々の美の、有り難さ。

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    平安神宮の界隈には、京都伝統産業ミュージアムを擁する「みやこめっせ」だけでなく、「京都国立近代美術館」や「京都市京セラ美術館」「ロームシアター京都」「細見美術館」など、立ち寄ってみたい場所がたくさんある。次回、ひとり旅の際には足を運ぼうと思う。

    さてこの日、みやこめっせを訪れる前、向かいの蔦屋書店内にあるカフェレストラン「京都モダンテラス」へ赴いた。ここで、神戸在住の大学生、真樺(まなか)さんとランチを共にする約束をしていたのだ。

    パンデミックが開けの昨年半ばごろから、わたしの主宰するミューズ・クリエイションのことを知った日本の大学生から、インドでのインターンシップに関する問い合わせが増え始めた。

    積極的に世界に出ようとする若い世代の存在は、未来の希望だ。

    しかし、率直に言って、インドに対する通り一遍のイメージで、「インドの貧困層を救いたい」という上から目線のアプローチが多数。情報がないから仕方がないとはいえ、頭でっかちな意識の高さと、知見の偏りが気になるケースが多い。

    「就職活動に有利だから」という理由でも、動き出すことができるのはすばらしいこと。

    しかし! メールや連絡のやり取りに関しても、基本的なやりとりのマナーや礼儀がなっていない学生が多くて驚かされる。無論これは、学生に限らず、社会人も同様だが。他人の情報提供を軽視しすぎる傾向は、インターネット普及以降、年々拍車がかかっている。

    インドを救う前に日本を救え。

    インドの子供らに勉強を。という前に、まずは自分が学べ。

    などと、突っ込みたくなることもしばしばだが、それではいかにも大人気ない。わたし自身、大学時代は概ね阿呆だったし、大人には大いに助けられた。自らを振り返り、自分がされてうれしかったことを思い出し、極力、親身に対応し続けている。

    学生の相談に乗ることは、仕事としてではなく、日本の未来のために(大げさではなく)自分にできることをと……との思いである。

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    さて、これまで何人かの学生とZoomなどで話をしてきた。真樺さんはそのひとりだが、意気込みが違う。対応が丁寧で真摯な彼女は、近い将来、真剣にバンガロールでの「修行」を望んでいる。わたしの提言を、すぐにライフに取り入れ実践するなど、非常に前向きな女性だ。

    この日、神戸から駆けつけてくれ、短時間ではあったが、お会いできたのもご縁。近い将来、バンガロールで再会できることを願いつつ。Good luck!

    🍽京都モダンテラス
    https://store.tsite.jp/kyoto-okazaki/floor/shop/kyoto-modern-terrace/

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    京都を離れる前日、夫とは別行動。彼はツアーガイドを依頼して、南禅寺や哲学の道など、観光客が少ない場所を案内してもらうべく、出かけた。

    わたしはまず、平安神宮の近くにある京都市勧業館「みやこめっせ」へ足を運んだ。ここには、京都到着の翌日、京都工芸染匠協同組合理事長の竹鼻さんにお会いしたときに勧められていた「京都伝統産業ミュージアム」があるのだ。

    京友禅サリーのプロモーターをお引き受けしたものの、京都の伝統工芸についての知識がなかったことから、少しでも全体像をつかみ、勉強できるところがないだろうかと思っていたところ、ここは非常に好適な場所だった。英文も併記されているので、海外からの旅行者にもおすすめの場所である。

    織物、染物、漆器、陶器、お香、仏壇、和菓子……と、あらゆる京都の粋が展示されている。その製造工程もシンプルながらわかりやすく紹介されていることから、商品、作品に対する愛着がわく。

    京友禅、西陣織、京鹿の子絞り……どれを見ても、インドとの結びつきを感じずにはいられない。いや、目に飛び込んでくるすべてに、シルクロードの、旅の追憶。

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    🌸みやこめっせ
    https://www.miyakomesse.jp/

    🌸MIYAKO MESSE
    https://www.miyakomesse.jp/english/
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    金閣寺。正式名称は北山鹿苑禅寺(ほくざんろくおんぜんじ)。東寺を訪れた際、五重塔が落雷で幾度も消失しては再建された歴史を知った。金閣寺にしても、然り。いや、遍く木造建築は、燃える宿命を背負いながら、築かれては灰になるを繰り返す。

    欧州の石造の文化と、日本の木造の文化。風土の特徴を反映した空間造りが、住まう人々の精神に与えてきた影響について、思いを馳せる。天災に翻弄されながら、日本人が貫き続けてきた美意識など。今回の旅は、かつてなく、思うところ尽きず。自分は歳を重ねたのだな……との感慨も深く。

    夫と金閣寺を訪れるのは、今回で3度目。お茶所でお抹茶と和菓子をいただく。25年前、同じ場所で写真を撮った。数年前、日本の茶道のプレゼンテーションのために資料を作った際、当時の写真(デジタルカメラ以前の紙焼き)を撮影していたものが、データに残っていたので引っ張り出した。

    あれから四半世紀も流れていたとは。

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    感慨深く金閣寺をあとにしてタクシーに乗り、今度は仁和寺にほど近い住宅地へ。折しも、バンガロール在住、京都出身の友人のめぐみさんが、3人の子供たちと一緒に一時帰国されていて、ご実家に招待してくださったのだ。

    めぐみさんのお母様の千佳子さんとも、わたしはFacebookでつながっていることから、ご家族で歓迎してくださった。めぐみさんのご両親は米国に留学されていたこともあり、夫は千佳子さんとも話が弾み、とても楽しそうだった。ご家族はバンガロールへ来訪されるご予定もおありだとのこと。次回はインドで!

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    旅が濃厚であればあるほど、書き残しておきたいことは募る。日常生活にしても、然り。しかし、有意義な経験をしているときには、時間に余裕がない。ましてや狭い空間を夫とシェアしているホテルでは、書くことに集中できない。

    それでも、隙間の時間で書き残しているのは、我が人生、記録が大いなる糧になっているが故。歳月を重ねるごとに、その思いを強くする。旅を終えてインドに戻れば、日常の渦に巻き込まれて感受性の鮮度が落ちる。故に、せめて最低限の写真だけでも、選んで残しておく。

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    1872年(明治5年)、京都で博覧会が開催されたのを機に、毎年4月、祇園で開催されている舞踏公演「都をどり」。バンガロールで旅の下調べをしていた夫が見つけ、どうしても見に行きたいということで予約を入れていた。

    会場は、ホテルから徒歩数分という利便性のよさ。祇園に滞在するのは今回が初めてだが、非常に便利だ。

    さて、都をどりを主催するのは「祇󠄀園甲部」。京都の伝統伎芸を振興する団体だという。春の「都をどり」や、秋の「温習会」がその代表のようだ。

    京都の四季を描いた華やかに絵画的な舞台。艶やかな着物をまとった芸妓さん、舞妓さんたちの舞いは、見目麗しく、娯楽性も高く、伝統芸能に精通していないわたしたちにも、十分に楽しめる。

    踊りもさることながら、わたしは「京友禅サリー」に関わったことで、個人的には着物や帯などにも強く惹かれた。間近で見たいものである。

    春夏秋冬をたどる演目の一つに「織姫彦星七夕語(おりひめひこぼしたなばたがたり)」があったのは、非常によかった。わたしたち夫婦の出会いは1996年7月7日の夜だったので、なにかにつけて、夫には七夕の話をしていたのだが、「ミルキーウェイ」のキーワード以外は、ほぼわかっていなかった様子。舞台を見て、ようやく理解できた模様だ。

    今回、わたしも初めて知ったのは、織姫と彦星が天の川を渡るに際し「カササギが、羽を連ねて作る橋」を渡ったのだということ。天の川が描かれた舞台の前に、カササギが連なる橋が現れ、壮観であった。カササギがいなければ、織姫と彦星は出会えていなかったというわけなので、わたしたちはカササギに感謝せねばならないようだ。😄

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    長旅のはずなのに、瞬く間に時間が過ぎる。京都には、一人で1カ月くらい暮らしてみたいとの衝動に駆られる。

    昨日、わたしは再びサリーを着用。2008年にムンバイで購入して以来、最も着用頻度の高いお気に入りだ。その姿で午前中、京友禅サリーに関わる京都の方々とミーティングに参上。その後、京友禅の「引き染め」の工房を、見学させていただいた。

    1枚目の写真は、京都府庁の旧本館前にて。1904年(明治37年)に竣工したというこのルネサンス様式の建築物は、国の重要文化財に指定されているという。

    1904年といえば、日露戦争が開戦した年であり、神戸にインドクラブの前身が誕生した年であり、タタ財閥のジャムシェトジー・タタが他界した年であり、彼がボンベイにタージマハル・パレスホテルを完成させた翌年のことでもある。……と、無理矢理インドの歴史と結びつけてみる。

    夫はといえば、滞在しているホテルの真向かいにある建仁寺の両足院で座禅を体験。これは旅行の前から予約をしていた。夫の下調べたるや「研究家ですか?」の次元にて、各方面で禅についても語る語る。詳細を記したいところだが、今のわたしには余力がない。

    夫はその後、一人で妙心寺の退蔵院を訪れている。江戸時代前期の臨済宗の僧「盤珪永琢(ばんけいようたく)」の本を読んでいる彼は、盤珪ゆかりの禅寺を訪れたかった模様。

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    その後、彼は友人の柴田氏と合流して伏見の月桂冠の酒蔵を見学。わたしも伏見で合流し、伏見の酒18種類のテイスティングを楽しむ。どれもこれも、それぞれにおいしく、速やかに飲み干せてしまうから危険。話しながら飲むうちにも、途中から、何がなんだかわからなくなる。

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    夜は再び、初日に訪れた祇園関屋で夕食。やっぱり、ここのお料理は、おいしい! 今回は、湯葉や麩、銀鱈の西京焼きなど、前回とは異なるメニューを注文。お通しも見目麗しく、視覚的にも楽しめる。お勧めのお店だ。

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    夜、軽い夕食を取ろうと、祇園にあるホテルを出て花見小路通りを歩く。何気なく見つけたおばんざいの店に入った。10名も入ればいっぱいになるカウンター席だけの小さな店。すると直後、お座敷帰りだという芸妓さんが立ち寄られた。

    せっかくなので、彼女にビールを勧め、いろいろとお話を聞く。熊本出身の彼女は16歳で舞妓になり、その後、芸妓になって、この道10年だという。台湾など海外へ出張することもあるとのこと。

    彼女の着物は京友禅。古いものを譲り受けたとのことだが、縮緬の地模様が繊細で麗しく、色合いも渋みがあってすてきだ。夫は、お酌をしていただき、写真撮影もして、上機嫌。実にラッキーなことだった。パンデミックも契機となり、芸妓さんの数はかなり減っているとのこと。

    心ばかりのご祝儀を渡して、店をあとにした。帰路でも、路地を足早に歩く芸妓さんとすれ違う。独特の強いオーラを放ちながら歩く彼女たちの、存在感の強いこと! すれ違うたび、着物をじっくり拝見したいと思わされる。

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    夫とは過去3回、1998年、2002年、2012年に京都を訪れた。3度目の11年前に初めて「東寺」を訪れ、「立体曼荼羅」の圧倒的な迫力に心臓を射抜かれた。以来、わたしたちにとって「蓮華王院 三十三間堂」に並んで忘れ得ぬ場所となった。

    真言宗の総本山である東寺は、今から約1200年前、平安遷都とともに創建された平安京の遺構で、1994年、世界遺産に登録された。国立の寺院として誕生したが、桓武天皇のあとに即位した嵯峨天皇により、唐で新しい仏教「密教」を学んで帰国した「弘法大師空海」に下賜(かし)され、日本初の密教寺院となったという。

    インドで生まれた仏教は、ヒンドゥー教と同様、古代インド神話の影響も受けている。ゆえに起源を同一にする仏様が存在する。インド神話由来の仏は、名前の最後に「天」が付く。わたしが崇めている弁財天もそうだし、梵天、帝釈天、毘沙門天や吉祥天など……。

    わたしは宗教に明るくないので、詳細には触れぬ。ともあれ、三十三間堂の、1000躯にも及ぶ千手観音立像の圧倒的な存在感や、東寺の金堂や講堂に収められた、インド由来の神仏の迫力たるや、筆舌に尽くしがたい。

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    館内は写真撮影禁止。ただひたすらに、静のひとときを、過ごす。

    外は晴れたり曇ったり雨が降ったりと、忙しい天気ではあったが、ひとときの晴れ間、東寺境内の五重塔を背景に、「映える」写真を撮って、楽しかった。お気付きの方はほぼ、いないかと思うが、わたしは出先の情景とコーディネートされた服を意図せず選びがち、である。

    前日の黒地に花模様は桜の花と合っていたし、この日のイカット(絣/かすり)のサリーは五重塔と雰囲気が合う。サリーは日本の古都にもよく似合う。

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    ◎東寺
    https://toji.or.jp/

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    昨年の終わり。ナーグプルの佐々井秀嶺上人のもとへ赴いた塚原大さん。初インドの玄関口がバンガロールで、初訪問の家が我々夫婦の新居だった。その後、ナーグプルで佐々井秀嶺上人のもと剃髪。龍雲の名を授かって生まれ変わり、帰路、再び我が家を再訪。「月光ライブラリ」で語り合った。

    彼との出会いについては、ブログに残している。この先も、ご縁が続くであろうと思っていた彼から、今回、ご友人を紹介していただいた。

    お一人は小南晴美さん。かつて三越百貨店に勤務され、久しく外商担当として富裕層顧客に上質の品々を提供されていた。わたしと同じ年の彼女は、大学を卒業後、フランクフルトの三越に勤務されていたとのことで、ちょうどベルリンの壁が崩壊したときに、ドイツに身を置いていたという。わたしもその直後、フランクフルトからベルリンまでドライヴ取材をしていたこともあり、それだけで、話が熱くなる。現在、彼女は「真のウェルビーイング」を目指す会員制百貨店「Feijoa」を経営されている。

    もう一人は、紫派藤間流の若き日本舞踊家、藤間礼多さん。彼は、幼少時より歌舞伎に憧れ、5歳から日本舞踊を学び、10歳からは市川宇團次丈のもとで伝統芸能の世界を学んだという。

    2021年には、イタリアの「ドルチェ&ガッバーナ」と共に、ファッションと日本舞踊のコラボレーションを企画、演出、出演するなど、斬新な取り組みも行っている。塚原さん、礼多さんは、共に22歳。未来しかない彼らと話していると、インドの若者はじめ、日本に関心のあるインドの人々と結びたいとの思いが益々強くなる。

    ともあれ、わたしの身は一つ。短いランチタイムながら、語り合えるだけ語り合い、「次はバンガロールで!」ということで手を振ったのだった。

    フットワークも軽やかに、わざわざ遠方からお越しくださった方々との出会いが有り難い。ちなみに、わたしが着ているのは、イカット(絣)のサリー。ベルト着用で、ややファンキーな着こなし。

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    *後半の写真。塚原氏の会社が一部内装などの関わったという「ポテル」のようす。

    🙏インドの中心、ナーグプルから繋がるご縁
    https://museindia.typepad.jp/2022/2022/12/nagpur.html

    ✊インド国憲法草案者アンベードカルとインド仏教。そして日本人僧侶、佐々井秀嶺上人を巡る記録
    https://museindia.typepad.jp/library/2021/12/unity.html

    💝合同会社 KASASAGI/日本の美意識で世界を魅了する
    https://kssg0311.com/

    💝株式会社フェイジョア
    https://feijoa.co.jp/

    💝藤間礼多
    https://www.instagram.com/yoshihiro_reitafujima/

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